サントリーにおけるSDGsへの取組み
9月3日に開催された日経SDGsフェスティバルの特別シンポジウム
「海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて」
における
執行役員 コーポレートサステナビリティ推進本部長 福本ともみさん
の聴講を聴いての私なりのまとめとコメントです。
なお、資料配信がありませんでしたので、聴講しながらメモを打ち込みました。万が一の聞き間違え等はご容赦ください。
最初に聴講後の感想をまとめます。
真剣に、かつ、現実的に取り組んでおり、海洋プラスチックごみ問題の解決の確実性はかなり高いものと感じました。そう判断したポイントを列挙します。
1) 一社だけで取り組んでいるのではなく、取り組みのためのアライアンスをつくり、同業分野の複数の会社が参画している。そのアライアンスで生産から回収し、再度生産に回すというループが形成されている点、
2) 海外でも活動しており、同社参画以前から進行しているアライアンス活動で先進性がある点を取り組んでいる。
さて、講演の導入は、トヨタ自動車や帝人と同じように企業理念からの説明でした。
サントリーの創業の精神は、大阪発祥ということもあり
「やってみなはれ」 「利益三分主義」
ということです。 (三分とは 社会・お客様・会社とのご説明)
社会とともに歩むという意味で、サントリホール、
また、自然との共存を示すキャッチフレーズの
「水と生きる」
などのご説明は、よくわかるものでした。
さて、具体的な活動としては、
2019年に、サステナビリティの7つのテーマを制定し、それぞれSDGsとも結びつけています。
プラスチックは、取り扱いの利便性だけでなく、酸素遮断保存や衛生面もメリットであるというご説明も、プラスチックサイドの人間の私にはうれしい説明でした。
そのようなメリットも多いプラスチックを、今後どのように上手に使っていくかは飲料メーカの使命であるという意思を感じました。
毎年、800-900万トンが海に流出と言われているプラスチックを
2030年までに 100%のマテリアルリサイクルあるいはリユース
することを目標としています。当然、ビジネスとして成り立つ仕組みが必要でその取り組みをご説明していました。
とかく日本では自社での自前主義が強いことと、メーカの技術は利益の源泉であり、いかに企業連携を進めるかが課題であったとのことです。
さて、具体的取り組みのご紹介です。
リサイクル業者のKYOUEI(協栄産業?)とともに国内でBottle2Bottle
海外企業とともリサイクルにとりくみ、工程削減としてリペレット不要でフレークを直接活用し安価な工程へ、
アメリカのベンチャ、アネロテック社Anelltechとともに、100%植物由来PETボトル(おそらく、ケミカルリサイクル)
このマテリアルリサイクルはPET以外も対応可能なために、
R PLUS JAPANという会社を各業界の12社の出資で設立。
参画している主要な会社は
素原料として、 岩谷、住化など
原料として、 TOYOBO
包装として、 DNP、TOPPANなど
使用者として アサヒ飲料、サントリー
なお、アライアンスに参加という意味では、CLOMAにも参画しています。
同社の海外拠点とも連携して、リサイクルの仕組み作り、そもそもの分別の習慣付けなどの(同社オリジナル?)の活動紹介もありました。
先行している海外活動への参画として、世界経済オーラムが2018設立したアライアンスGRAPへの参加の説明がありました。GRAPは英国 カナダがキー国となり、ネスレ コカ・コーラ ダウなどが参画しているアライアンスです。
欧州、アメリカ中心でも各種の活動があり、それらもウォッチングして適宜参画も考えたいとのことでした。
サントリーの取組みもそうですが、国内外でいろいろな取り組みがあり、想像以上に海洋プラスチック問題への取組みが真剣に進んでいることがわかりました。