トヨタ自動車におけるSDGsへの取組み
今週開催中の日経SDGsフェスティバル、初日のトヨタ自動車と日経の方との対談視聴も含めてのコメントです。
トヨタではことしから専任のサステナビリティオフィサーを設定しています。この日の方は、Deputy Chief Sustainability Officer の大塚友美さんでした。
このような動きも含めて、豊田社長が決算発表時にSDGsに本気で取り組むと発言しています。会見ビデオから私なりにポイントを抜粋します。
「今回のコロナ危機で、人間として、企業としてどう生きるのかを考えました。ふるさと、ホームタウンのように、地球はホームプラネットです。このコロナ危機に際して、当たり前などない、どこかで誰かが頑張っているからということに気づきました。。医療従事者はもちろんのこと、すべての人に感謝の気持ちを伝えます。そして、今は企業も人間も、行動を考えるチャンスです。それはラストチャンスかもしれなません。
トヨタの使命は「幸せの量産」です。自分で考えて行動できるトヨタパーソンを作ること、(自分の視点ではなく相手の立場)“Youの視点”も持ったトヨタパーソンとしていくことです。
そのことは、誰一人取りこぼさない、SDGsへの対応となります。」
大変に上手にまとめて発言されてます。トヨタ出身の私がヨイショしているわけではなく、素直にその通りだと思います。重要な点はこれらの活動は利益とも連動するように戦略化している点です。この対談の最後に、しっかりとそのような趣旨の発言がありました。SDGsが利益にも結び付く活動という重要な点が示唆されています。
対談の中では、豊田綱領を話題にしてました。
大友さんは、これら、トヨタの歴史的、伝統的理念を共有することは、同時にSDGsへの同期となると説明してました。「Youの視点を持つ人財」、相手のことを考える人は豊田綱領の理念そのものということです。
豊田佐吉は母親の機織り(はたおり)の苦労を見て、楽にさせてやりたいとの思いから自動織機の開発に至りました。トヨタ生産方式の原点はここにあるとも言われています。この発明を特許化し、大きな利益を上げました。その資金の投入がトヨタ自動車設立へとつながっています。
大友さんは、人のために知恵を出すと、それは特許になり、企業の利益にもつながるとご説明されてました。まさに、企業として取り組むSDGsの価値そのものでしょう。
この対談を聞いて、企業のSDGsへの取組み方とその価値が大変によく理解できました。
余談ですが、トヨタ生産方式の基礎的な考え方に関しては、「プラスチックス」10月号、11月号に掲載の予定です。ご参考になさってください。
もひとつ余談、対談を聞きながら、いろいろとトヨタ時代の裏話に思い当たりました。裏話ですからここに書くわけにはいきませんが。
昨今のセミナーはオンラインが大半です。 残念ながら、オンラインセミナーではこのような裏話はできなくなってしまいました。