水素エネルギー社会(1)
一昨日、8月7日の日経朝刊に、EUが水素で世界TOPを狙うという記事がありました。
燃料電池自動車(FCV)に関連した仕事をしてきた関係で、今後の次世代車の普及や、背景にある地球環境問題なども継続してうウォッチングするようになりました。温暖化抑止のための低炭素、さらには脱炭素社会をにらんだ時、水素エネルギーもその有望な選択肢となります。
FCVは、水素エネルギー実用化として最も現実性が高いところですが、その普及推進の裏には、水素エネルギー社会があります。コスト等の課題はまだまだ大きいものの、完全な脱炭素が実現できるという意味で、価値があります。日本政府としては、東京オリンピックでFCVを世界的にPRの算段だったのですが、ご存知の状況です。
FCVの推進国としては、
世界で最も早く商用普及を始めたトヨタ・ホンダの日本、
トヨタとの合弁会社をいくつか設立した中国
が目につくところですが、実は
韓国も日本以上の性能とも言われ、おそらくは国策的にも力を入れているようです。
EU内各社は当初FCVに力を入れていましたが、EVにシフトしているようで、アジアに比べて燃料電池開発は遅れつつあるとの印象を持ってました、
しかし、この日経の記事によると、EUは戦略的に動いているようです。FCVとしてではなく、もっと大きな水素エネルギー社会という動きです。次世代産業の覇権争いの様相です。
トヨタ自動車が計画している東富士工場跡地を利用したスマートシティは、当然、都市エネルギーインフラにおける水素エネルギーの実用実験場となるのでしょう。
企業頼みでなく、国家戦略的に取り組むべきところですが、今一つ、見えてこないように感じています。
水素協議会 Hydrogen Council という組織があります。国際組織です。この活動を見ると面白いことが見えてきます。これはまた別の機会に話題にしましょう。