トヨタ自動車株主総会2024 出席 【続報】
6月18日に開催されたトヨタ自動車の株主総会に関しては先にその概要を速報しております。今回はコメントも織り交ぜながら詳しくレポートします。
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A会場(第一会場)に入場するために
昨年は、B会場でのモニター参加でしたので、今年は、A会場入りを狙いました。豊田市駅前8時発の送迎バス第一便に乗車しました。
8時発の予定でしたが、7:47に出発、総会会場前には8:05の到着でした。
受付番号450番台、A会場のかなり前方、10列目くらいでした。また、当社は複数体制で出席しました。9:00頃に到着したメンバーは、1900番台、ちょうどA会場の最後部列でした。A会場は約2000名収容可能です。昨年の出席者数は3800人(過去最高は5300人)、ことしは900人増えて4700人ほどの参加と報道されています。
10時の定刻まで、株主招集通知書(総会議案や実績報告など)を見ながら過ごしました。定刻の5分ほど前に書記役2名が入場、9:47壇上に執行役員や取締役・監査役など約30名が入場し10時ちょうどに佐藤社長の定刻になりましたとの発言で開始です。
新聞・テレビから、出席株主インタビューを受ける
昨年に引き続き、総会後のコメントを求められました。昨年は新聞社2社でしたが、今年は、テレビ局2社、通信社1社、新聞社1社でした。送迎バスや自家用車を利用する人が多く、徒歩で一般道に出る人には、軒並みインタビューしているようでした。
私のコメントを引用した新聞記事では、
トヨタ総会「ショッキング」の声も
がサブの見出しになっていました。
記事中では、私のインタビュー内容はおおむね以下のように書かれていました
「トヨタから型式認証試験で不正とはショッキングである。認証内容が複雑であったり細部条件が不明確であるという問題もあり、合理的な認証制度に改めるべき」
また、テレビニュースでも放映されました。
写真出典:2024年6月18日 メ~テレ放映ニュース画面からキャプチャー
名古屋テレビ(メ~テレ)ニュースで放映されたインビュー
2024年6月18日 メ~テレ放映ニュース
『不正の問題に対してもう少し踏み込んだ質問が出るかと思ったが、想定されるような質問に対して、想定されるような答えであった』
型式認定不正に関する謝罪と説明は不十分
速報したように冒頭に、佐藤社長からこの件に関する謝罪がありました。1分ほどの簡単なものでした。不正を正当化するような、また、不正で合格した車両には走行上の問題はないことを強調するような負のイメージを薄める内容にも聞こえました。以下は私が書き取ったメモから書き起こしたものです。
『型式認証とは、主として安全・環境の認定を受けるものだが、正しい手順を踏まなかった。
安心して乗り続けられるのでご心配はいらない。グループ各社も含めて会長が先頭に立って対応していく。』
不正というよりは手続き上の問題であり、クルマには問題が無いことを強調しているように聞き取りました。
最後の株主質問を受けて、豊田会長が発言しました。
かならずしもグループ内で相次いだ不正問題への対応に関してではありませんが、最後に以下のようにまとめていました。
『私がトヨタグループの全責任者である。
グループビジョンを示した。
迷った時の道しるべである。
航海の道しるべ役を積極的に務めていく。』
豊田会長への信任率 大幅低下
去年に引き続いてアメリカの助言会社が反対するように提案しています。今年は反対提案会社が増えたということもあり、昨年の信任率84.6%から71.9%への大幅低下です。ちなみに、信任反対への助言がなかった一昨年は95.7%とその以前10年と同程度でした。以下は、今年提案の取締役10名に対する信任率です。早川副会長も比較的低いようです。青字は賛成率95%以下の取締役です。
第4号議案 株主提案 気象変動対応のための定款変更への対応
提案した株主(年金運用機関、投資機関)
・Kapitalforeningen MP Invest(拠点:デンマーク)
から趣旨説明がありました。代理人弁護士が日本語で説明しました。かなり早口でした。会社側から「〇分程度で」とあらかじめ要望されていたようです。本件への賛成率は9.2%で否決されました。昨年は以下の欧州の年金運用機関3機関からの共同提案で賛成率は15%でした。
欧州の年金運用機関・投資機関 3機関から
・Kapitalforeningen MP Invest(拠点:デンマーク)
・Storebrand Asset Management AS(ルクセンブルグ)
・APG Asset Management N.V(オランダ)
さて、今年の株主質問では不思議なことが起こりました。ということで、この3機関、重要です。
株主質問
全12件でした。当たり障りのない質問ばかりでした。例年通り、11時半過ぎに「ご質問はあと2名とさせていただきたいがいかがでしょうか?」と議長から発言し、会場からの拍手が起こり、その2件を対応後、採決に移り、12時前に終了しました。
毎年、まるで、シナリオがあるドラマのように同じ展開、同じ「上映時間」です。不思議がいっぱいで、実は他の株主の方からも???の声が多数ありました。
12件の株主質問に関しては、すべてメモしてありますので、これから書き起こしました。ただ公開がはばかられる内容もありますので当サイトでの公開は見合わせることとしました。各セミナーでは機会あれば紹介のよていです。
ということで、
サクラ質問の真相、サクラ質問者を見分ける方法、会場からのヤジなどに関しては、別途の機会にご期待ください。
「院政」との揶揄について
株主質問の最後に答える中で、豊田会長からこの発言がありました。実は、昨年の株主総会後、当サイトの「メルマガ登録者 限定コンテンツ」には以下を掲載しました。まさに、これから院政かも・・・との内容です。
今年の最後の株主質問の主旨は「モータースポーツに取り組み過ぎていないか?会長の道楽ではないか?」というものでした。
これに対する豊田会長の回答の中で院政が出てきました。私のメモによれば以下のようなものでした。
「モータースポーツは趣味でやっているのではないか、あるいは院政ではないかなどの揶揄の声も聞こえる。院政との言葉は老害のようなネガティブなイメージがあるが、本来の院政という言葉の意味は新しい時代を切り開くべきものであった。責任を取るのは私、執行メンバーの結果や決定にとやかく言うつもりは無い。いつでも事前に相談に乗りますよと言っており、私の失敗体験なども話し、若い執行メンバーの成長につなげてほしいと運営している。それを院政というのであれば、喜んで院政と呼んでほしい。そして道楽とは道を楽しむということです。」
佐藤社長を圧倒的に凌駕している豊田会長のプレゼンス
この1年のトヨタからの発信を見ると、圧倒的に豊田会長からの発信が多く、また重要な内容ほど豊田会長からとの印象を受けています。これはどなたも同様のようです。内山田会長と豊田社長の時代とは、会長と社長のプレゼンスが逆転しており、前述の院政の印象にもつながっているようです。
増配 60円から75円
株主としてはうれしいニュースです。2割を上回る増配です。今期の利益は圧倒的な5兆円越えという背景もあります。来年以降継続されるか気になるところですが、今年に限定するような発言はありませんでしたので、継続期待です。
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