トヨタの凄いは「グローバル研究開発体制」

トヨタのR&D体制を整理してみました。
すなわち、車両の企画、設計業務、人工知能などの最先端研究、そしてトヨタのマルチパスウエイに呼応した新エネルギー車やエネルギービジネスの開発体制・拠点の整理です。

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トヨタは真のグローバルカンパニー

何をいまさらと感じられるかもしれません。販売台数1000万台超えであり世界各地の拠点で生産販売を進めています。VWやHyundaiなどの伝統的OEMは同様です。しかし、真のグローバルとは研究開発体制もグローバル化されているという点です。
新興の中国系は当然のこと、伝統的なVW・Hyundaiなどのトヨタ以外のOEMは、先端的研究や自動運転開発は当然のこと、製品企画さえも本国集中となっています。
また、新エネルギー車やエネルギービジネスそのものも、トヨタだけがグローバル分散開発体制となっています。
補足です。VW・GM等も中国OEMとの合弁会社では、中国サイドの意向もあり、現地での企画と設計となっています。現地法人にまかせっぱなしがGM、本国開発車の現地化がVWといった進め方の差はあります。これら合弁は、各本国本体の戦略的意向の外であり、ここで触れている真のグローバル化とは異なるものと考えます。

東南アジアにおける圧倒的な存在感

昨年末のベトナム現地調査に関しては既に当サイトでもレポートしています。

ベトナム現地調査 トヨタのICE大成功

もっともよく見かけたクルマはトヨタ車です。その中でも、東南アジアはじめ新興国向けに開発したIMV系の車両が目立ちました。タイやインドネシアでも同様です。IMVの製品企画と設計は、タイのトヨタ開発拠点が中心で進められました。
以下がその概要のまとめです。

中国や韓国で見かけた珍しいミニバン

「珍しい」とは、日本で見かけないという意味です。いわゆるアメリカンサイズのミニバンです。ずばり、北米トヨタからの輸出車で、アメリカではごくごく普通に見かけるミニバンです。

狭い日本の道路には適しませんが、中韓では大きな車が好まれる傾向があり、北米サイズがうってつけです。

この手の大型のミニバンやSUV、あるいはアメリカで大人気のピックアップトラックは、北米専用車(のちに上述のように輸出もしているが)として北米拠点で、製品企画&設計されました。こちらも東南アジア作戦と同様に大成功です。

以下は、代表的な北米開発車です。

車両のサイズを見てみましょう。全長は5m超え、全幅と全高2m前後です。とても日本では乗り回せませんが、ごくごくたまに、日本でも見かけます。おそらくマニアの方の輸入かと思います。

これまでのトヨタのグローバルの車両開発体制

前述したようにIMVはタイが開発拠点であり、北米専用車はミシガン州アナーバーが中心となっていました。

グローバル化がさらに進んだ現状は、以下の車両開発体制と見られます。トヨタ自動車が公開している情報を元にしたまとめです。私の認識している会社が抜けているように感じますが、大筋はこのグローバル体制です。

新エネルギー車の開発拠点は?

電気自動車(BEV)や水素燃料自動車(FCEV)の開発はどうでしょうか?既にグローバル拠点ごとの並行開発体制に移行しているようです。

BEVの拠点開発が始まっており、水素関連ではエネルギー関連ビジネスでは、ここ1年ほどで急激にグローバル化が進んでいます。具体的な体制等は、未確認の私見となりますので、まずは、セミナーなどのクローズドな場で解説してまいります。

開発拠点のひとつ

人工知能などの先進研究拠点は?

トヨタは、基礎研究・先行開発・自動運転・人工知能との表現で各拠点会社を紹介しています。拠点分散ながら、当然、リエゾン開発の関係にある拠点もあります。また、重要な拠点・会社が抜けているようです。

いずれにしましても、新エネルギー車の製品企画や設計、先端的な研究までもグローバル化しているOEMはありません。開発体制からもマルチパスウエイの戦略を垣間見ることができました。

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