
昨年12月初旬の現地調査に引き続き、3月末にも調査しました。折しも、2025年3月28日午後0時50分頃(日本時間午後3時20分頃)ミャンマーでの大地震当日でしたが、クルマで移動中であったため揺れに気づかず、バンコク市内も同日は鉄道が止まる等の混乱はあったものの、日本で報道されているよりもはるかに影響は少ないものでした。

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1.バンコク市内の状況
前回に比べて、「赤ナンバー」の割合が減ったように感じました。ローン審査が厳しくなり、昨年は前年比で3割近くも新車登録台数が減っています。「赤ナンバー」は正式な白ナンバーが発行される前のいわば、仮登録ナンバーです。半年近くも赤ナンバーということもあるようです。赤ナンバーが減るということは、新車の台数が減ったというバロメータとも言えます。なお、赤ナンバーでは 日の出から日没までしか運転できない、ハンバー登録地点外、たとえばバンコク市外には出れない等の制約があります。実態としてはほぼ取り締まられないようですが。

次の写真はこの3月取材時のバンコク市内交差点です。日系の絶対的市場への中国EV進出という現状を象徴しています。左から2車線目の先頭はAIONのEV「ES」、その後はBYDのEV「ATTO3」です。その右隣は大人気のトヨタのピックアップ「ハイラックス」で後も大人気のミニバン「アルファード」です。さらに右隣の赤いピックアップはいすゞの「D-MAX]です。これらのピックアップやミニバンが、左側に並んでいるような中国EVにおきかわらないかが懸念されます。

写真は 昨年末の タイMotor Expoにおける中国EVメーカーのピックアップやミニバンの展示車両です。


2.看板でも攻勢をかける中国勢

【GWM(長城汽車)】高速道路わきの巨大看板

【DEEPAL(長安汽車)】バンコク市内 ビル壁面の巨大電子看板

【BYD】空港⇒バンコク中心部の高速道路わき

【BYD】バンコク中心部の高速道路わき
3.走行していた中国EV 車種紹介
タイで「遭遇」した中国EVを紹介します。

Grabで呼んだタクシーは広州汽車のEVブランドAionの「ES」
2024年タイで販売されたEV中の
販売順位 12位 1088台

長城汽車の「ORA Good Cat」
9位 2426台
中国地方都市と同様に、中国小型EVの普及も目立つ。キュートなデザインで日本からの女性観光客の話題となっていました

SUZUKIとISUZUのSUVに挟まれて駐車しているBYD「ATTO3」

どこででも見かける BYD「ATTO3」

BYD 3車種合計でタイEV市場の37.5%
2024年夏から タイでEV生産開始

巨大な看板があったGWMです。 HEV 「HAVAL Jolion」

NETA V
3位 6587台
中国の合衆新能源汽車のEVブランド 哪吒汽車(NETA)
2024年春から タイでEV生産開始

DEEPAL 「S07」
3位 6587台
長安汽車のEVブランド DEEPAL
2025年上半期 タイでEV生産開始予定

中国のEV新興御三家のシャオペンも進出していた。
シャオペン(Xpeng) 「G6」
34位 178台
2024年10月販売開始であり上記台数は3ヶ月分。

TESLA 「Model Y」
15位 881台
Model 3が 8位 3238台
TESLAの タイEV市場シェアは5.9%


AVATR 11(阿維塔11)
64位 13台
Avatr 11は 長安汽車、HUAWEI(ファーウェイ)、寧徳時代により共同で開発されたました。
HUAWEIのEV進出の第一号車です。
HUAWEIは以降、各社と協業ながら実質的に主導権を持って車載OSや自動運転関連の開発を進めています。
各社の担当部分を整理します。
【HUAWEI】
運転支援システム HUAWEI INSIDE
LIDAR3台、ミリ波レーダー6個、超声波レーダーセンサー12個、カメラ13台
インフォテイメントシステム HarmonyOS (ハイシリコン社製Kirin990Aプロセッサ搭載)
同社設計開発のモータを提供
【長安汽車】
CHNプラットフォームを採用、製造も長安汽車
4WD フロントとリアにファーウェイのDriveONEモーターを搭載
0→100 km/が3.98秒
【寧徳時代】
三元リチウムイオン電池、容量116kWh車両は航続距離680km(CLTC)
240kW急速充電、10分で200km走行可能
以下は、23年8月、上海でAVATRのショールームを訪問した際に撮影

4.タイのガソリンは種類がたくさん

写真はカラフルな給油ノズルで、思わず撮影
右端の青色のノズルはディーゼル用の軽油です。
それ以外はガソリンです。
・緑色のノズルはガソール91 レギュラー90%とエタノール10%の混合ガソリン
・真ん中のE20はエタノール20%入り
・赤いノズルはガソール95 ハイオク90%とエタノール10%の混合ガソリン
エタノールは植物発酵からであり、ある種のバイオ燃料と言えます。ブラジルほどではありませんが、エタノールバイオ燃料が普及しています。一番左は100%ガソリンで混合ガソリンに対応していない旧型車と輸入車用。タイには他にもバイオディーゼルの混合軽油やガソリンもオクタン価によりさらに細分化されていたり、NGV、LPG等も合わせると11種類に及ぶと耳にしました。
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