反り変形の対策(2) データの取得 成形開始時

変形量の定義ができましたので、実際の反り量のデータを取得します。

日々の製造の際のデータを取得します。その方法をご説明しましょう。

まずは、生産開始から連続で計測します。その日の生産開始から、あるいは金型交換し生産再開からの反り量を計測します。おおむね10ショット程度で安定しますので20ショット程度まで計測します。この際に、ぜひ成形品重量も同時に計測してください。

さっそく、取得したデータを検討しましょう。成形数と共に反り量も変化するが、徐々に安定化する挙動が見受けられる場合は、成形条件との関連が推定されます。また、このようなケースでは、重量変化との相関も強くでます。

成形と共に、型温度、樹脂温度が変化します。それに伴い、射出速度やピーク圧力、さらにクッション量も変化します。これらの兆候が確認できたならば、追加でデータを取ります。すなわち、成形数とともに、射出ピーク圧、保圧ピーク圧、クッション量などを記録します。型温やバレル温度等も記録するといいでしょうが、ただ、意外とそれらの計測温度との相関は見られないものです。型内流動樹脂の変化に比べて、機器の計測温度が鈍感なためでしょう。

再度相関性を検討します。相関性が確認できたならば、確認実験を計画します。3水準の一元配置実験がいいでしょう。もちろん、交互作用が推察されるのであれば、最初から2元配置や実験計画法でもいいでしょう。

成形開始時に特徴が無い場合は、かなり手ごわい検討となります。 次回ご説明します。