反り変形の対策(3) データの取得その2

前回は、反り変形のデータ計測として成形開始事前での特徴把握に関してご説明しました。ここで特徴が見つかると比較的原因究明が楽になります。そうではないケース、すなわち成形したものすべてで変形が認められる場合、あるいは突発的に不良が出ていつのまにか収まる場合は大変に難儀です。

成形したものすべてが変形するケースは、あきらかな設計ミスです。設計ミスと言っても、成形品形状設計だけに限らず、樹脂材料選定、型仕様(多くはゲート配置)も含めてのミスです。成形条件ではなんともならないので、大変に大きな問題となります。それをあらかじめ抑止するために反り変形予測のCAEが重要となりました。我々も数年に渡って現象解明と定式化、ソフトへの折り込みに取り組みました。近年、飛躍的に予測精度は向上していますので、丹念な事前検討でかなり抑止できるようになってます。さらにAIの力も借りた深化が進んでいます。

さて、もう一つの特徴の突発的に発生する反り変形も厄介な問題です。丹念にあらゆる関連データを取得して照らし合わせるという地道なアプローチが必要です。