【展示会レポート】オートモーティブワールド@名古屋 東洋紡

10月22日、ポートメッセなごやで開催された【名古屋】オートモティブ・ワールド(主催:リード エグジビション ジャパン株式会社)に参加しました。

東洋紡 ブース 見学

オリジナルが繊維の会社ということもあり、単なる射出材料だけでなく、繊維状を生かした機能材料(抗菌性、耐ウイルス性)などもありました。また、他社同様に、次世代車ADAS向けの電子部品用材用として電磁シールドや溶着性の機能向上材も目につきました。一番の注目は写真にある、モックアップ車両です。

モックアップ車両

東洋紡の展示車両

写真のように、同社の樹脂で成形された部品で組み上げた モックアップ車両一台が展示してあり、大変に目を引いていました。コンセプトがベンゼン環をイメージしたハニカム構造のようで、各成形品はハニカムの形状品でした。

機能的なコンセプトは空気をコントロールするというものです。
・走行中に空気を取り込みPM2.5を回収、
・ハニカム形状のウインカー
  ハニカム骨部はウインカーとして機能
  ハニカム空間からは空気を取り込みエンジンルーム内の冷却
・通気性の高いクッションシート材 ≪ブレスエアー®≫

エアレス成形タイヤ

特に目を引いたのは、タイヤで、ハニカム状で構成された空気レスタイヤです。
射出成形品です。空気を入れたゴムタイヤとは全く発想がことなり、ハニカム形状が路面凹凸や振動衝撃を吸収するというものです。このモックは走れるものではないでしょうが、実際に乗車して性能を確認したいと思いました。

走りながらPM2.5を回収する静電フィルタ

また、着眼としておもしろかったのが、走りながら空気を取り込み、フィルタを通過させて排出するというフィルタの使用方法です。同社の高性能フィルタの作用によりPM2.5を捕獲してクリーンなエアとするという発想です。≪静電フィルター エリトロン≫ 走りながら空気をきれいにという発想は25年ほど前の日産車にもありました。CARB対策のために、触媒作用を利用して、走りながら空気をきれいにするという車を提唱(実際に発売したのかもしれません)していました。

異種材接合の低圧成形接着剤

封止用途や異種材接合目的です。低圧で接着剤を注入するという発想で、熱可塑と熱硬化の2種あります。それぞれ注入硬化サイクル、50秒、80秒です。電子基板の金属ケースへのベタ接着での放熱、樹脂パイプと金属パイプの接着などの応用例がありました。

電磁波シールドPBT

PBTに電磁波の吸収・反射特性を付与した材料です。1GHzまでの低周波を対象としており、磁波・電波それぞれの吸収特性グラフが示されていました。


レーザ溶着用樹脂

ECUケースやレーダ機器の封じをターゲットとしてレーザ溶着性の向上材が2グレード紹介されていました。樹脂の種別や材料の開発ポイントは不明です。

高剛性材料

繊維状強化剤(GF/CF)を40~50%含有しながら、それらが雲母状であり、流動性が高い材料を紹介していました。射出グレード、熱プレスグレードがあります。流動性が高いために、熱プレスでのリブの末端まで充填可能であり、しかも強化剤の分散に偏差を生じない特徴があります。ベース樹脂は、PP,PA6とされていたので、ポリマーの開発ではなく、分散技術の開発です。繊維フィラーが雲母状というところが注目すべき点です。どういうテクノロジーなのでしょう?