水素エネルギー社会(20)Hyundai FCV NEXOの秘密
海外での評価は、NEXOがToyota MIRAIを上回る販売台数と性能であるとされており、その秘密を探ってみた。
2018年年初のCES2018@ラスベガスがグローバル・デビューです。その後のわずか2年間で11,000台が販売されています。FCVとしては圧倒的な台数を販売しています。
Toyota MIRAIは、2014年発売で、6年間で世界累計約1万台(国内3,300台)です。(2020年4月の朝日新聞インタビューに対するMIRAI開発統括の田中チーフエンジニアコメント)
NEXOが突然出現して2年で1万台販売したわけではなく、それなりの歴史があります。
Hyundai ix35 FCV ⇒ NEXO
NEXOは先代のFCVであるix35 Fuel Cellの後継モデルです。ix35 FCVはガソリン車のix35(北米名はTucson)をベースに開発されてます。
Ix35 FCVに関する日本語情報はほとんど見つかりませんでした。以下の情報は英語および韓国語でアクセスした情報です。ただし、複数のサイトやメディアで検証するほどの情報はありません。あくまで参考の情報です。
2013年2月に韓国南部のHyundaiウルサン工場で限定生産を開始しております。2014年のデンマーク導入後、同年、アメリカ翌年カナダで販売されています。70MPaの水素タンクを2本積載し、航続距離は594km(588kmとの情報もあり)です。なお、2014年7月のAutoView Korea(写真はそのウェブサイト画面)によると、700kmを無補給で走破したことがアナウンスさてれてます。ノルウェーのオスロからスウェーデン経由でデンマークのコペンハーゲンまでの高速道および市街地走行を、平均時速76km約10時間の走行しています。その後、その車両はコペンハーゲン市に納入してます。環境要求の高い北欧をターゲットとしたイベントと実用化です。
このix35 FCVの実績を織り込んで開発したのがNEXOです。こちらは、70MPaの水素タンクを3本の積載です。つい先日発売された2代目のToyota MIRAIも同様に3本となっています。
NEXOの最新販売価格
韓国国内ではModern/Premiumの2グレードがラインアップされています。装着しているタイヤの差だけのようですが、車幅と最高速度・高速距離がわずかに異なっています。
Modern | 17” tire
Premium | 19” tire
2020年12月1日現在で韓国国内向けの価格は以下となってます。減税前後の価格が表示されています。(換算為替レート 0.09円/ウオン)
NEXOのクルマとしての魅力
Lane Keeping や Blind Spot Monitor、あるいはconnected 機能などは、最近の上級車並みに標準で装備されています
その他に注目して機能・装備を3点紹介します。
Blind Spot View Monitor
サイドミラー下部についているカメラでの撮影画像をインパネ計器盤内にモニター表示する機能で、フロントウインドウが雨滴や曇っている際に便利な機能です。
Remote Smart Parking Assist
駐車の際、あるいは狭い駐車スペースから出す際、車外からの操作で運転できる機能です。ビデオ(韓国国内向け)を見ると、大変便利な効能に見えます。
Auto Flush Handle
走行時は、ドアハンドルが格のされてドアパネルの面と凹凸なく一体化する機能です。空力向上が期待できるのでしょうか? なお、テスラと比べると、だいぶキメが粗いです。テスラは、格納状態ではほぼ面一ですが、NEXOは、ドアハンドル外周に大きなR取りがあり、だらっとした印象です。ちなみに、テスラはドアなどの見切りスキも極めて狭く、かなり空力を意識した設計に見えます。量産車であれだけ狭く追い込むのは、なかなかに勇気がいります。