K2022 Preview COVESTROプレゼン
2022年10月19日から26日までの8日間
ドイツ デュッセルドルフにて
3年おきに開催される
K2022 世界最大のプラスチック・ゴムの展示会が開催されます。
各社プレゼンレポートの4回目はCOVESTROです
Covestroはバイエルの樹脂部門が独立した会社で、ポリカーボネートとポリウレタンをメインとしています。
なお、社名はCollaboration・Invest・Strongからの合成語となっています。
CEO自らの会社紹介から始まり、プレゼン時間も1時間半と参加各社中で最長ということもあり、かなり具体的な説明でした。
K2022の出展ブースの説明から始まりました。
プラスチック産業からの温室効果ガスが全体の3.5%を占めるという説明と共にパリ協定の1.5℃以内を達成するとの決意を示し、2035年にはカーボンニュートラルを達成するとしています。
具体的には3つの分類で説明していました。
一つ目は原料の置き換えとして、フェノールやベンゼンを植物由来としたマスバランス化、廃棄材の再利用として中国において韓国SKグループとの取組み、Fortescue Future Industries(FFI)社のグリーン水素の導入を説明していました。
二つ目としては化石燃料から再生可能エネルギーへの置き換えです。
三つ目は革新的リサイクルのための新技術開発であり、既存の狭い視野からの脱却を意識しての国際的な連携も含め20以上で研究しています。
フォーカスするトピックスとして、crafting をキーワードに、crafting a circular economy、crafting sustainable living、crafting electrificationを説明していました。
Crafting a circular economy
循環型経済の視点でのプレゼンではまずは、ウレタンフォームのケミカルプロセスとしてポリオールとトルエンヂアミンに戻す取組みに注目しました。
ロビーでは写真のようにリサイクル元のウレタンフォームと得られた液体を展示PRしていました。
また、ウレタン製サンダルでは、ハード・ソフト2種のウレタン部品を分解し、それぞれ再度サンダルに使用するという水平リサイクル実績が紹介されました。
有名なデザイナーによるサンダルということで、話題性を狙っています。
ドイツの携帯電話 Fairphoneでも水平リサイクルを実現しています。
保護ケースにはリサイクルウレタン、本体のポリカーボネートにもリサイクル材料が使用されています。
また、リサイクル材料の使用状況を公的に確認するサプライチェーンの仕組みの導入も始まっています。
Crafting sustainable living
植物由来のバイオ循環材料を日常品、建築資材、自動車など広い用途で展開します。
Crafting electrification
ポリウレタンを風力発電のブレード、耐腐食保護膜、ケーブル保護エラストマーなどへ電力系に、あるいは電動車への展開です。
充電機器用へ、あるいは、耐久性とデザイン自由度の高さを生かしてのバッテリーへの展開を提案しています。
*会場での撮影写真以外は、同社が同日公開したプレスキットからの引用です。
なお、全体を通したまとめレポートは月刊「プラスチックス」10月号に掲載予定です。
開催内容確認や入場券オンライン購入などは、以下からのアクセスが便利です。
次回はドイツのシリコーン樹脂材料メーカのWACKERです。