TOYOTA 電気自動車(EV)bZ4X 試乗まとめ
試乗2回目に関して各側面でレポートしてきました。
今回は、試乗一回目・二回目を通じての全体まとめです。
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現時点では買う価値は低い
日本国内ではリースのみの扱いですがその参考価格は600(2WD)ないし650万円(AWD)です。この価格に見合うクルマではありません。
BEVとしての完成度が低い
この一言に尽きます。トヨタ初の量産型BEVですが、トヨタ流の保守的な開発でBEVの魅力を全く引き出せていません。
発進加速性も良く、他のBEVと比較しても高速加速性にも優れます。ボディの剛性もしっかりしており、重心も低く安心して乗れる車体です。
一方で、BEVのメリットや楽しさは全く引き出せていません。
BEVの歴史が浅い分、日産のアリアやサクラといって、BEVを生かした使い勝手とデザインとはなっていません。
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Hyundai IONIQ5のようなワンペダル的な操作もできません。
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Honda eのような遊び心もありません。
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価格帯が違うので比較にはなりませんが、中国の超高級BEVのような、もう「クルマ」ではないという先進的な使い方やエンターテインメントの楽しさも感じられません。
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マンマシンインターフェースが中途半端
BEVとしての特徴ではありませんが、Man Machine Interfaceが中途半端です。ユーザ目線ではなく、開発者が「どうだ、便利だろう」と押し付ける感じがあります。
すでにレポートしたように、フロントガラス近くまで前方に移動したメータ表示部が見にくい上に、ある状況下では路面が見えなくなります。ステアリングホイールと重なり、メータ表示が見ないこともあります。これらは安心安全というクルマの一丁目一番地を阻害しています。どうした?トヨタ
日産アリア・サクラ、Hyundai IONIQ5系は、メータからNaviまで一体化した大画面で見やすく便利でした。
Honda eは、ワイド全体がディスプレイでした。両サイドには、サイドカメラの映像が表示されます。 これらは、2025年発売とされているソニーホンダモビリティのAFEELAと同じ思想です。
BYDは90度回転するセンターディスプレイです。Naviとして先読みができて便利です。
中国EVメーカのプロジェクトマネージャが一蹴してました。
「トヨタのBEV やっと発売されたと思ったら、何なのあれは。時代に遅れた車との評判だよ。」中国では、Man Machine Interfaceの主体が音声入力だそうですが、中国車に比べてその機能がチープだそうです。
保守的すぎる商品企画
品質のトヨタがお客様満足度を落としたくない、その結果、極めて保守的な企画となっており、BEVの魅力を棄損してます。
BEVの歴史が無く、過去データ積み上げでの商品企画ができていない点も、日産等と比較すると商品性を低くしているようです。HEVで先行した戦略が生かされていません。
バッテリーを長期で保証する、あるいは、その不安を低減するための企画が特にネックになっているようです。
搭載バッテリーの容量71.4KWhに対してスペック上の走行距離500kmが短いようです。1KWh当たりの走行距離は7.0kmです。
ちなみにこれまで試乗してきたBEVは以下のスペックです。
BYD ATTO3 8.3km/KWh
Hyundai IONIQ5 8.5km
Honda e 8.0km
Nissan ARYA 6.8km
Nissan Sakura 9.0km
bZ4Xはバッテリーの劣化に対応するために予備バッテリーを含めた容量のようで、71.4KWhをフルには使用していないようです。
また、1日当たりの急速充電回数も2回までに制限されていました。
メータ部の表示も、残走行距離はありますが、充電率が表示されておらず、この点もユーザから不満が出ていました。
この2点は、つい先日、改良が発表されたところですが、保守的な企画がユーザの不満につながってます。
部品や意匠デザインも安っぽい
もっとも貧相な部品は、外装の大型樹脂の無塗装パネルです。
私自身のビジネスのメインフィールドでもありますが、素地でこれだけの面積はいただけません。本当に安っぽい。
一方で日産アリアは、ホイールアーチ部やバンパー下は光沢樹脂パネルで、さらには、フロントパネルが二重成形品です。
これは、一旦凹凸形状の部品を成形した後に、金型を交換しその上に透明樹脂を射出するという大変に手間のかかる成形品です。その上、最終的には、その成形品にスモーク塗装を施しているようです。見る角度により、内部の凹凸が浮き出て見え、しかも、角度によりその浮き出た見栄えも変化します。かなりコストをかけた部品で構成されています。車両価格的にはほぼ同じ600万円台です
センターコンソールの反射が眩しい
内装に関するレポートでも報告していますが、ブリッジタイプのセンターコンソールで、通常のクルマよりも、センターコンソールの意匠面が上方にあります。この部分が光沢仕上げとなっています。ここに太陽が反射して、しばしば視界を遮りました。
センターコンソール上面の反射光が顔に映ってます。これが目に入ると眩しくなります。
トヨタの得意な「当たり前品質」も維持されていません。トヨタは本来、このようなち密な事前評価が得意のはずなのですが・・・。慌ててBEVを市場投入したせいなのでしょうか?
実用的走行距離
充電率の表示が無いために借り出し時点で満充電であると推定すると、その時点での残り走行可能距離の表示335kmが、走行可能距離となります。実用的には300km程度までとなるでしょう。なお、スペック上の走行距離500kmに対して、実用走行距離は67%程度です。これまで乗ったBEVはおおむね70%強でしたので、bZ4Xの走行可能距離はスペックに対して少し短いようです。
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