試乗レポート クラウン・クロスオーバーHEV

技術オフィスTech-Tのコンサルティングビジネスの対象は
電気自動車EV および水素燃料自動車FEV周辺ですが
今回は、それらの比較対象としてHEVのクラウンクロスオーバーの試乗レポートです。

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仙台に取材に行った際に、6時間レンタルしました。
フルカバーの保険代込みで約2万円です。
単なる商用では借りない価格帯です。

概要

4,930/1,840/1,540mm、1760kgと、普段よく乗るSUVと比較すると、幅はわずかに広く、長さは300-400mm長い車体です。
クラウン・クロスオーバーは全車種4WD(E-four)です。
レンタルしたグレードはGで、475万円でした。
中の下のグレードです。
事前の知識が全くない状態での運転でしたが、多くの機能は予備知識なしでも活用できました。
機能操作面では、マンマシンインターフェースが良いと言えましょう。
カタログ燃費22.4km/Lに対して、燃費に全く配慮しない運転での瞬間燃費が11-13km程度でした。
このサイズ重量を考えれば、十分に満足できるレベルです。

外形デザイン・外装

レンタカーは塗色、ブラックでした。
同行者曰く、パッとしない色だねと、、、
やはりクラウン・クロスオーバーは、メインカラ―のブロンド・ブラック ツートンの印象(写真:出典、トヨタ自動車カタログ)が強いので、ブラック一色は地味なクルマの印象です。
なお、ブロンド・ブラック ツートンは最上級グレードのRS(605万円~)のみの設定でした。

バンパー部にグリル状の意匠があります。
開口がないため、エンジン冷却用の空気取り入れのためのグリルではなく、単なる意匠パネルです。
中国で、BEVのグリルレスデザインを多数見てきたので、グリルデザインは古臭い印象です。
なお、Hyundaiも同様に、BEVでも開口の無いグリル状の意匠としていますので、古典的なカーメーカの保守的デザイナーのこだわりかもしれません。

参考までにBEVのグリルレスのフロントデザインです。年末発売予定の、BYDのSEALです。

走行性・操作性

残念ながら発進は、BEVと比較して、圧倒的に劣る点です。
べた踏み発進しても、エンジンの悲鳴なようなサウンドが響き渡るものの、一向に加速しません。
最高出力はエンジン137kw+モータ88kwですが、エンジンだけががんばっていて、モータの出力が寄与していない印象を受けました。
BYDのATTO3(440万円~)、あるいはドルフィンLong Range(407万円)はともに150kw、HyundaiのIONIQ5(479万円~)が125kw~ですが、それらのほうが、静かに確実に加速しましたので、クラウンは物足りないところです。
RSターボであれば、加速性はよくなるでしょうが、静粛性は期待できないところです。
静粛性やサウンドに関しては、ターボのサウンドが好みという嗜好性面もありますが。
一方で、走行時は、5mという全長を感じない旋回性、ボデー剛性の高さ、そして、完成度の高いサスペンションで、実に取り回しも乗り心地もいいクルマでした。
この辺りは歴史あるクラウンの完成度の高さでしょう。
カラ―HUDも見やすい、わかりやすいものでした。
速度や追い越し禁止などもフロントカメラでのモニター映像からHUDに表示されます。
だいぶ一般化してきましたが、バック駐車の際のパノラミックビューモニターも使いやすい機能です。

内装・居住性

ダッシュボードのデザイン・Display配置は、ごく一般的です。
奇をてらっていない分、見やすく使いやすいものでした。

クロスオーバーということで車高が高いはずですが、全く意識しませんでした。
乗りやすく、室内が広く感じたのはそのせいだとは思いますが。

リアシートに着座しても、前席とはたっぷりの余裕があります。

リアシートはバケット状に深くなっており、着座するとホールド感を感じました。
長時間ドライブで疲れを感じないかもしれません。
その分、センター席は、少し着座位置が高く、浮いてしまうようです。

シート生地のファブリックは安っぽい印象です。

左右の前席シートの間のエアコン吹き出し口の下に、USBの充電端子がありましたが、いまどきType Cなんですね。

ADAS等用のセンサー類

プリウス等の一般的トヨタ車の外部モニター用の車載カメラは、フロント、左右ドアミラー下部、後部、フロントガラス上部に各1個、合計で5個です。
このクルマは後部モニター用のカメラが2個ありました。

左側がデジタルインナーミラー用、右側が従来からあるバックモニター用です。

前後のADAS用車載カメラのモニター画像は、工場での組み立て時に装着済みのドライブレコーダで記録されます。
録画映像はスマホに転送できることは、帰宅後に知りました。
さらにミラー下にカメラ以外のセンサー状の形態が認められました。

超音波ソナーは、フロントとリアバンパーに各4個と推定しています。(しっかり確認しませんでした)
ミリ波レーダは車外から搭載状況がわかりませんが、
フロント用のメインとなるミリ波レーダは、クラウンマークとナンバープレートの間のようです。
他車同様に、逆台形型のカバーパネルがあるので、このすぐ裏でしょう。

他に、接近車両検知用のレーダ(おそらくはマイクロ波からミリ波に変更されていると推定)が、前後のバンパの外側に計4個搭載されていると推定します。
リアカメラが1個追加された点が変更点です。
なお、トヨタ車の車載カメラは、中国のBEVと比較するとかなり少なく、Hyundaiのクルマよりも少ない状況です。

運転支援機構

ここは、二重丸です。
事前知識内で、運転しながら操作するというものでしたが、一見さんでもOKというように使いやすいものでした。

レーザクルーズナビ

普段からトヨタ車に乗っているせいか、スイッチ位置は全然違いましたが直感的にオンにできました。
前車速度に追従するほか、レーンキープで自動操舵(手を離すと警告されます)、カーブでの自動減速など、5年前の私のクルマと比較するとかなり高機能になってます。

アドバンスト ドライブ(渋滞時支援)

カタログによるとこの機能は上級のRSグレードでのメーカオプションとありますので、レンタルしたGグレードには装着されていないはずですが、同様に機能していました。
すなわち、ブレーキを一切踏むことなく、前車に追従して自動で完全停止するとともに、前車発進時は、クルーズボタンをプッシュするだけで、アクセル操作することなく、前車に追従した速度での走行を再開します。
なお、これらの機能は高速道や自動車専用道での使用を前提にしているとありましたので、私が試したような一般道での使用は推奨されません。

発進遅れ告知機能

信号が切り替わり、先行車が発進した際、あるいは先頭待機で青信号に代わった際によそ見をしていると、さりげなく、警告されます。
カタログによると、右折補助青信号に代わった際も告知されるそうです。
カメラ認知とその情報処理能力が高くなっているのですね。

試乗結果

グレードG限定での感想となりますが、モータスポーツ的に楽しむ車ではありません。
取り回ししやすく、燃費もそこそこよさそうで、乗り心地の良い足回りですので、長距離をゆったりと旅するクルマです。
トヨタブランドのフラッグシップのクルマとしては安価です。
車内は広々しており、リアシートもバッケット状でホールド感感があり足回りも余裕があるので、4人でのドライブにも向いています。
実車の外形デザインは、思ったほどの新鮮味は無く、内装は平凡そのものでした。
補助金無しのエントリーレベルのBEVと同価格です。
BEVは65ないし85万円+自治体補助と、おおよそ100万円安で購入できるので、価格的に実質的競合となるBEVは、トヨタのbZ4X、日産アリアB6あたりです。

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