BYD ATTO3 試乗から見た戦略 日本販売台数 ~詳細~

BYDは2023年から日本でも発売を開始します。
上記写真のDolphinは年央からの予定、また今回試乗したATTO3は1月から販売済みです。

BYDのビジネス戦略に注目しており、ATTO3はは、以下にレポートしたように2回ほど試乗しています。
EVのATTO3 やBYD戦略 さらに競合車レポート
BYD ATTO3 試乗 第2回

ここではこれまでのまとめも兼ねて、BYDの戦略をサーベイしてみます。

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BEVとPHEVを併売しているBYD


当社のレポートは基本的には純電気自動車のBEVのみを対象にしています。
多くの電気自動車の統計ではPHEV(あるいはPEV)を含んでいますので、当社レポートのBEVのみの台数とは異なります。
たとえば、2022年の電気自動車販売台数TOPメーカはBYDと報道されていますが、PHVを含んだ台数のため、テスラを上回っていますが、BEVではテスラがTOPです。

BYDの王朝シリーズ(写真の右側)はPHEVとの併売となってます。 
宋、漢、清、唐です。 英語表示ですと、
Song、Han、Qin、Tong となります。

写真出展:BYD WebSite

BYDはそもそもガソリン車のメーカであり(さらなるそもそもは電池メーカですが)PHEVの開発販売が可能です。一方、新興のBEVメーカはガソリンエンジンのノウハウがなく、PHEVはハードルの高いところです。ビジネス戦略的にも漸減するガソリン車は対象外でしょうが。

グローバル戦略

以下でレポートしたように既に世界第2位のBEVメーカです。
(PEVを含む台数では、BYDはテスラを上回なりTOPとなります)
2022年年間 グローバル BEV(電気自動車)販売台数 – 技術オフィス Tech-T 開発と製造のコンサルタント

主要地域ごとで見ますと、中国で3位である一方、欧米ではベスト10にランクインしていません。
現状では大半が中国国内販売です。
しかし、既に2022年からオーストラリアをはじめとする海外販売を開始しています。
8月に横浜で試乗したATTO3はオーストラリア仕様の右ハンドル車でした。

今年からは、欧州・日本でも本格販売することがアナウンスされており、1月31日からは日本でもATTO3を販売しています。
中国では、トヨタとの合弁BEV設計会社を運営しており、まもなく共同開発したとされるbZ3の販売が開始されます。
モータもバッテリーもBYD製を採用しています

トヨタのEV bZ3 中国で公表 – 技術オフィス Tech-T 開発と製造のコンサルタント

今後のトヨタとの協業がどの程度進むのかは最大の関心事です。

日本での1-2月の販売実績 計57台

ATTO3の販売台数を推計します。

輸入車統計を見てみますとBYDは

1月 20台
2月 37台

となっています。現状ATTO3しか輸入していませんので、ATTO3の台数と推察されます。
台数的にはまだまだです。

参考までに昨年5月に日本市場に参入したHyundaiのEV IONIQ5の販売台数は以下のように推移しています。

月約70台程度ですので、ATTO3も同様のようです。

日本での戦略

以下は、今年日本で販売する3車種の(当社推定を含む)販売価格です。

ATTO3の価格は、日産リーフ並みで、日産の軽BEVのサクラについで安いBEVとなりました。
年央に導入予定のDolphineがタイ並みの販売価格となると、ほぼサクラの上級グレードと同じとなります。

かなり戦略的な価格設定です。

販売方式は、従来の各社と同様にディーラでの店頭販売です。
商社系の輸入車販売企業、あるいは地場の修理工場等とディーラ契約を進めています。

ここは、Hyundaiのネット販売とは大きく異なる戦略です。

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