まもなく、トヨタ自動車の株主総会2024
まもなく、トヨタ自動車の株主総会です。去年もこの時期、同じタイトルで記事を掲載しました。
トヨタ自動車の株主総会は、毎年、豊田章男さんのワンマンショーのようなもので、ちょっとコミカルな劇を見ている雰囲気があります。笑いを誘う部分もあれば、感極まって本人が涙するなど、見ていて楽しいものです。株主質疑応答にも相当の時間をかけ、毎年2時間程の総会です。
が、しかし、今年はそうならないかもしれません。
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去年はこの時期に、テクニカルワークショップ開催などがあり、積極的に情報発信をしていました。特に全固体電池に関しては、株主総会前日の朝刊が報道解禁日ということで、まさに株主総会狙いの発表でした。しかし今年は型式指定の試験での不適切対応があり、そのような社外発信は控える、中止するものと思われます。
型式指定申請における調査結果について | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
去年の株主総会では、初めての試みとして、トヨタ会館での株主向け展示がありました。トヨタのマルチパスウェイの考え方を示す車6車種が展示してありましたが、今年は取りやめになっているかもしれません。
写真は昨年の総会会場周辺(私はテレビ朝日と日経新聞から取材を受けました)
今年の注目点です。
1.型式認定の際の不適切対応に関する謝罪と説明
案件の大きさから、TOPの説明となるでしょう。そのTOPが佐藤社長なのか豊田会長なのかも注目点です。すでに報道されている内容以上の踏み込んだ発言があるかどうかが気になる点です。
本件に関する株主質問も気になる点です。
株主質問はヤラセでは?との疑念があるようですので、対面セミナーの際にでも私見ご説明します。
2.第2号議案 提案された新任監査役
上記は株主総会招集通知から部分的に引用し編集したものです。最初に目に入った点は、50歳という若さです。ついで、女性という点です。昨年、社外取締役に女性が1名登用されましたので、長田さんが二人目となります。
しかし、最も注目すべき点は、中日新聞の元記者(トヨタ担当のキャップ)という点でしょう。本件(トヨタ社外監査役)対応のためにこの3月に同社を退社しています。この件、一般紙やテレビではほとんど報道されていません。文春やゲンダイが中立性に疑問を呈していますが、やはり退職するまでの数年間トヨタ専任担当であった点を考慮すると、中立性には議論の余地があります。
株主総会ではそのような踏み込んだ説明は無いものとは思いますが、気にかけて聞くポイントです。
3.第4号議案 株主提案 気象変動対応のための定款変更
去年と同様に、ヨーロッパの投資機関から気象変動対応のための約款変更の要望・提案が出されています。
昨年提案した欧州の投資3機関
・Kapitalforeningen MP Invest(拠点:デンマーク)
・Storebrand Asset Management AS(ルクセンブルグ)
・APG Asset Management N.V(オランダ)
今年の提案は、Kapitalforeningen MP Investだけのようです。
昨年はこの株主提案について盛んに事前報道されていましたが、今年はほとんど報道されていません。去年の株主提案が18年ぶりだったためか、あるいは3つの機関からの提案であったためか、あるいは昨年同様の提案へ対応済みだからでしょうか。
この株主提案に対する対応方法や発言、取り扱い時間の長さに注目しています。ちなみに、昨年の株主提案賛成率は15.06%と報道されました。決して少ない数字ではありませんので、株主の関心ごととはなっているようです。
4.佐藤社長の指導力、豊田会長のプレゼンス
上段が昨年、下段が今年の株主招集通知からです。
社長交代後の1年を見ると、現社長の発言の機会や発信力に対して、あきらかに、前社長の豊田会長のプレゼンスが高いようです。その最たるものは、グループ会社の型式取得不適切に対しての対応説明、そして、最近のトヨタ自身の不適切対応への説明です。株主総会の議長は社長となりますので、どのように発言しイニシアティブある進行となるか注目しています。
5.トヨタグループビジョンと豊田章男塾
ダイハツ工業、日野自動車、豊田自動織機と相次いで発覚した「認証不正問題」への対応としてのガバナンスの強化として、トヨタグループビジョンを策定し、豊田章男塾として現場メンバ―と直接対話するとの記載があります。しかし、自社での不適切対応が生じた今となっては、この対応策が陳腐化したように見受けられます。
*画像出典:同社の株主招集通知資料、および、弊社が撮影した2023年総会関連写真
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