水素エネルギー社会(15)水素バリューチェーン協議会
水素の利用促進に関する動きをレポートします。
10月14日、トヨタ自動車他、参画する各社、三井住友ファイナンシャルグループ、岩谷産業などから、水素の利用促進のための「水素バリューチェーン協議会」を設立するための準備委員会を立ち上げるとニュースリリースされました。
このニュースリリースの下部には、トヨタ自動車におけるSDGsへの取組みが説明されており、トヨタのSDGs活動の一貫ともなっていることを印象付けています。
【参画の9社】
岩谷産業株式会社、ENEOS株式会社、川崎重工業株式会社、関西電力株式会社、株式会社神戸製鋼所、株式会社東芝、トヨタ自動車株式会社、株式会社三井住友フィナンシャルグループ、三井物産株式会社
含蓄のあるメンバ構成です。まさにこれから利用を促進したい、設備・機器メーカ、重電・重工業、エネルギ関連企業、電力会社で、各業界から最も熱心な企業代表が参加しているような顔ぶれです。また、企業間の関係も透けて見えます。イワタニとトヨタは、FCVミライの車両開発から、将来のインフラ整備普及も想定して、かなり深い関係にあります。トヨタのFCV・燃料電池開発拠点建屋ビルの目の前には、巨大な水素貯蔵タンクがあり、しばしばイワタニの水素タンクローリーが来ています。先のブログでレポートした水素ステーションは、豊田中央研究所の幹線道路に面している一角でを利用しており、運営はイワタニです。なお、ちょうどトヨタ博物館の正面入り口の向かいにもなってました。私が取材した写真をご覧ください。
あまり知られていませんが、トヨタは三井グループを構成する一社でもあります。そんな関係で、三井系の参画も当然のところです。余談ですが、三井グループの会員制倶楽部として、綱町三井倶楽部があります。トヨタの関係者も利用できます。
(この綱町三井倶楽部の件は、軽い話題としておもしろいので、近々、ブログを掲載したいと思います。)
さて、そんな関係もあるのでしょうか、少し異色なメンバは三井住友フィナンシャルグループです。今後のESG投資等、あるいは有望な融資先市場と考えての参画かもしれません。
水素利用促進としては、それこそ新エネルギの研究推進機関のNEDO(国立研究開発法人 新エネルギ・産業技術総合開発機構.)が水素利用等先導研究開発事業として長期に取組んでいます。事業期間は2014年から2022年までの9年間に及びます。水素の製造からその貯蔵や輸送、実際の活用までのありとあらゆることがテーマとなっています。高圧水素容器関連を継続的にウォッチングしている立場からは、今年度から着手の超高圧水素インフラ本格普及技術研究開発事業に着目しています。水素ステーションの普及推進や国際標準適合などが検討内容となっています。