水素エネルギー社会(27)普及した燃料電池バス

10月の東京出張の際に、何回か燃料電池バス トヨタ自動車のSORAを見かけました。

写真は東京駅周辺で見かけたJR東日本と日立自動車交通のバスです。
日立自動車交通は東京駅八重洲から晴海まで晴海ライナとして運用しています。

他に、多数の都バスも見かけました。

都内では、都バスとして70台、その他の事業者が30台、計約100台が運行しています。

福島県浪江町の水素で走るバス

東日本大震災復興事業の一環ですが、福島県浪江町内にて、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が世界最大級の太陽光利用の水素製造施設の実証を進めています。この水素は都バスの燃料として使用されています。

製造から運用までのフローです。

浪江町製造設備

新砂水素ステーション(運営:株式会社巴商会)

 

都バス燃料へ

写真は新砂水素ステーション(出展 株式会社巴商会ウェブサイト)水素ステーション – 水素エネルギー推進事業部 – 巴商会

東京都では、浪江町で製造したグリーン水素の使用をPRする目的で、8月末から1か月ほどラッピングバスを運行しました。

写真は東京都のウエブサイトから。

浪江町産水素活用の燃料電池バス ラッピング運行でPR

バス車体価格と補助金

燃料電池バスは1台約1億円ですが、国から5000万円、地方自治体(東京都)から3000万円の補助金がでます。バス事業者の負担は2000万円となり、通常仕様のバスと同等の費用で済みます。

普及の背景はこの補助金の影響が大きいのでしょう。普及当初の補助金はリーズナブルな対応ですが、補助金対応をいつまで継続するかは気になる点です。バスという用途上、飛躍的な台数普及は見込めないこと、公共性が高いことを考えると補助金継続も合理的かもしれません。

東京オリンピックと燃料電池バス

トヨタ自動車は、昨年開催予定であった東京オリンピックで大々的な水素燃料車両のPRを予定していたものと考えられます。ことしに延期になった大会でもMIRAIが目につきました。当初、昨年の大会に燃料バスを100台投入する計画だったようです。この100台は、東京での普及運用台数と同じであり、ことしの大会を待たずに予定していた実運用に移行したものと推察できます。

新型コロナ感染症は、トヨタ自動車の水素エネルギ社会へ向かうというPRのチャンスにも影響を与えているようです。

FCVにご興味ある方は以下もご参照ください。

アーカイブ: 水素エネルギ社会

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