水素エネルギー社会(28)川重の水素飛行機
川崎重工株式会社から11月5日、水素燃料航空機(イメージ画像を転載)の開発がNEDO事業に採択された旨のプレスリリースがありました。
「水素航空機向けコア技術開発」がNEDOグリーンイノベーション基金事業に採択 | プレスリリース | 川崎重工業株式会社
昨年12月の経産省「2050 年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」に基づく事業としての採択です。
先行している欧州エアバスのZEROeとの差別化や優位性が気になるところです。
ZEROeの2035年までの就航目標に対し、川重のプレスリリースでは2030年の地上実証試験ということで、5年程度ビハインドでしょうか。
研究項目は以下の3構成とされています。
-水素航空機向けエンジン燃焼器・システム技術開発
-液化水素燃料貯蔵タンク開発
-水素航空機機体構造検討
水素エンジンは、空気圧縮やその流路などターボの機構と水素の投入部位など、知恵の絞りどころのようです。イメージ図で示している長いエンジン形状もそのようなアイデアのひとつのように見受けられます。
燃料電池車両や鉄道は高圧水素タンクでの貯蔵ですが、航空機では積載効率から液体水素となるため、新規の要素技術が必要です。
一方の、機体構造で、水素のための開発が必要なのでしょうか?その必然性がなければ、汎用的な航空機軽量化と低抵抗機体ということになります。
川崎重工のここ3か月ほどのプレスリリースから水素社会関連をピックアップしました。
10月26日
「舶用水素エンジンおよびMHFSの開発」がNEDO グリーンイノベーション基金事業に採択
09月15日
日豪間での大規模なグリーン液化水素サプライチェーン構築に向けた事業化調査の実施
08月26日
水素発電の地域実装に向けた技術開発と社会実装モデルに関する調査を開始
08月02日
「HyEng株式会社」設立のお知らせ
川崎重工の水素エネルギー関連ビジネスは以下のウェブサイトにまとめてありました。
川崎重工 Kawasaki Hydrogen Road 〜水素社会の未来を切り拓く〜