ホンダ 新型水素燃料自動車(FCEV)販売へ 水素エネルギー社会 -詳細-(51)
ホンダからの新型FCEV “CR-V e:FCEV” に関してレポートしました。
ホンダ 新型水素燃料自動車(FCEV)販売へ 水素エネルギー社会(50)
ここでは、独自調査や見解を含め、“CR-V e:FCEV” をはじめとするFCEVの現状をレポートします。
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既に他社で実用化されているプラグインFCEV
Stellantisの3ブランド(Citroën、Peugeot、Opel)から商用バンとして、プラグイン充電対応の商用バンが販売されています。
2021年末Opelから発売され、翌年10月他のブランドに展開されています。
2022年の人とくるまのテクノロジー展では、高圧水素タンクのサプライヤであるFaureciaが、実タンクを展示していました。
水素エネルギー社会(35) 人とくるまのテクノロジー展2022から
満充填の水素で400km、バッテリーで50km走行可能です。
Stellantisは以下の表にて、このクルマのコンセプトMID-CONCEPTを純水素電池自動車(FULL-POWER)とRANGE EXTENDERと比較し、バランスの取れたものであると説明しています。
高速道路巡行時には燃料電池による持続的な運航、一方発進時や加速時はバッテリーから電力供給で瞬発性の確保が可能とされています。また、3本のタンクを床下、バッテリーを運転席下に配置することで荷室の容量確保が可能となっています。
本項目の写真・図表出典:STELLANTIS
プラグインFCEVとした背景考察
Stellantisの説明では、前述のように高速巡行走行と発進加速時のパフォーマンスのベストバランスと説明されています。水素による走行距離が400kmに留まっていることから、バッテリーによる走行距離の延長も期待していると推察されます。
さて、“CR-V e:FCEV”でのプラグイン充電機能に関して、ホンダは、水素ステーションの普及が道半ばの現状として、外部充電のみでも走行が可能となる点を強調しています。確かに、万が一の際の安心感ある使用が可能となります。また、普段の通勤のみの使用ではバッテリーのみでの走行という活用も想定されます。
なお、先のレポートで報告したように、本質的な構成を大きく変えることなくプラグイン機能を組み込める点も背景にあるでしょう。
“CR-V e:FCEV”では容量が大きくなったバッテリーの機能を生かし、外部給電も可能となっています。
ホンダのクラフトマンが作る
CR-V e:FCEV は北米オハイオ州のPerformance Manufacturing Center(PMC)で生産するとアナウンスされています。PMCは少量生産車に適した工場で、NSXも生産されていました。展示会場でのホンダの方のご説明では、NSX製造に携わっていたクラフトマンがこのクルマを生産するとのことでした。
日本でのクラリティの生産も同様でしたとのご説明でした。NSX製造のために立ち上げた本田技研工業高根沢工場(その後鈴鹿製作所に移管)の流れを汲むクラフトマンの活躍だったのでしょうか?
ホンダの水素燃料車はNSX製造も担ったクラフトマンの手によるものであるとの説明は、印象に残るものでした。
プラットフォーム、車両パッケージについて
水素燃料自動車は、水素搭載量の確保(水素タンクの容量や本数、直径と長さ)とその搭載設計がジレンマとなり各社苦労しています。
トヨタ MIRAI/CROWN FCEV
もっとも高度に配置設計したクルマはトヨタの2代目MIRAIです。(同じプラットフォームを使用したクラウンFCEVを2023年11月から発売)スタイリッシュな5人乗りセダンとするために、長さ違いの3種のタンクを搭載しています。
最長のタンクをフロア前方前後方向に、中サイズタンクを後部座席下左右方向に配置しています。
最短のタンクはトランク下に配置しています。パズルのような配置です。
Hyundai NEXO
NEXOはSUVのプラットフォームを生かし、同形状のタンクを3本、後部座席下に2本、トランクルーム下に1本搭載しています。
ホンダ CR-V e:FCEV
NEXO同様のSUVですが、プラグイン対応のため容量の大きいバッテリーを運転席下の配置しています。水素タンクは2本、後部座席下とトランクルーム前方に配置しています。イラストから判断すると直径が異なるようです。
Stellantis Citroën Jumpy/Peugeot Expert/Opel Vivar
本項目の図出典:各社
燃料電池や水素タンクに関して
燃料電池車を構成する必須デバイスは燃料電池と水素タンクです。
各社からの公表情報およびインタビュー結果からその調達先状況を以下にまとめました。
燃料電池は自社製、タンクは外部調達が一般的です。
FCEVに興味ある方は以下もご参照ください。
アーカイブ: 水素エネルギー社会
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