トヨタの展示は実用化をPRへ 【H2&FC EXPO2024春】 水素エネルギー社会(52)

東京ビッグサイトで開催された スマートエネルギーWEEK/GX経営WEEK(主催:RX Japan株式会社)を2月28&29日に見学&取材しました。
ここではH2&FC EXPOに出展していたトヨタ自動車に関してレポートします。

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会場で一番人気

昨年同様に会場での一番人気で常に多数の人が見学していました。
トヨタグループ各社から出展しており、各社の説明員が対応しているという状況も昨年と同様でした。

展示内容を大別すると
燃料電池車MIRAIへの搭載技術を応用し

1)燃料電池システム
2)高圧水素タンク技術応用としての貯蔵&輸送装置

の外販に関するものと、燃料電池システムの原理をいわば逆に利用した

3)水分解装置

の外販および応用です。
2)3)に関しては昨年の同展示会は初出展でしたが、今年はその進化形としての展示であり、着実なビジネス進展状況がうかがえました。

まずは、3)水分解装置の応用 に関してレポートします。今回の展示の最大の目玉です。

大規模水電解システム

2月初めに、国内外の水素製造市場への参入を狙う、大規模水電解システムの共同開発および戦略的パートナーシップを構築合意がアナウンスされています。トヨタ自動車の燃料電池システムと千代田化工建設のプラント建造技術を融合するものです。

展示会場での共同での紹介には、通路をふさぐほどの人だかりでした。

水電解スタック群 
イラスト出典:トヨタ自動車

大規模水電解システム 
イラスト出典:千代田化工

このベースとなるものは、昨年の本展示会で初公開された水分解による水素製造装置です。昨年の説明では、MIRAIに搭載している燃料電池の8割の部品を流用しているということでしたが、今年は9割と説明していました。

以下は、昨年の同展示会のおけるトヨタ自動車のオンライン・バーチャル展示からのハードコピーです。

燃料電池スタックではその耐久性が課題と言われており、会場で水分解装置としての耐久性をお尋ねしました。耐久性上の課題と言われている触媒の不活性化や水シールパッキン部の改良により、燃料電池スタックの耐久時間5000時間に対して、8万時間とのご説明でした。

水素輸送システム

これは 2)高圧水素タンク技術応用としての貯蔵&輸送装置 に関してです。
昨年は認可を取得したばかりの輸送システム(タンク4本で構成)を紹介していました。

水素エネルギー社会(42)トヨタの水素エネルギー戦略

上記の<水素貯蔵システムの外販>

ことしは、その商品化システムを紹介していました。

会場ではTC36が展示してありました。このままトラックや船舶に搭載して運搬する、移動先に設置して定置式水素発電システムを稼働させたりFCEVはFCフォークリフト、さらには建機への水素供給源として活用するなど、まさに「水素エネルギー社会」の一翼を担うシステムです。

展示会に持参したカメラのトラブルのため、以下の3枚は、会場で配布していたパンフレットからの引用によるご紹介です。

燃料電池スタックのシステム販売

次の写真は、MIRAIの燃料電池スタックです。昨年のトヨタ株主総会時の株主向け展示会で撮影したものです。

これをベースにした外販システムが展示されていました。
こちらも会場配布のパンフレット引用でご紹介します。

また、会場では、このシステムを組み込んだ発電機として、数m四方のサイズの実機が展示してありました。
フランスのEODev社の製品です。

写真出典:EODev

【主要諸元】

寸法-  3300 x 1100 x 2252 mm
質量-  3.3トン
電力-  ESPで110 kVA / 88 kW、PRPで100 kVA / 80 kW
出力電圧- 400 VAC / 480 VAC

世界25か国で100台以上の販売実績とのご説明でした。なお、EODev社には、2021年トヨタモーターヨーロッパ(TME)が出資しています。

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