解説 鴻海EV連合
鴻海EV連合は当初の5倍 トヨタ系部品メーカも参加
3月13日(金)付け日経新聞(および3月12日19時の電子版)に上記見出しでの掲載がありました。
先日のソニーとHONDAのEV車開発販売のための合弁会社設立発表等EV関連の動きは従来のOEM中心から、家電・携帯電話などの業界を巻き込んでの新たな局面を迎えつつあります。
トヨタ系の参加に関して
トヨタ系の参加として、デンソー、ジェイテクト、豊田通商の名が挙がっています。
デンソーは電装・電子系の世界的メーカと見れば当然の動きです。
ジェイテクトはトヨタプリウスの「電費」改善のためのパワステの電動化や減速機ギヤやベアリング回転体といったビジネスが想定されます。
豊田通商は10年前からアルゼンチンのリチウム権益確保、オーストラリアでの生産をビジネス化しています。
モジュール組み立て型へのシフト
パソコンは各パーツのインターフェースが標準化
パソコンでは、パーツ間の接続のハード・ソフトが標準化されたために個人でも組立可能となりました。
携帯電話の場合は、パーツ間の接続は携帯電話ハード開発の会社に依存はするものの、固有の機能が必要な複雑なパーツは買い集めです。
逆に言えばいつでもパーツ供給元を切り替えることが可能です。
EVの場合も、パソコン並みは無理ですが携帯電話とかなり同様のことが可能です。
写真はTeslaおよび中国Human Horizonsのプラットフォームですが、それぞれのモータ(エーアクスル)、バッテリー、電装や制御ユニット、タイヤ・ホイールを入れ替えることも(インターフェールが標準化されていないのである程度のチューニングは必要ですが)可能でしょう。
鴻海のターゲットはどこか?
鴻海のEV開発会社(台湾の自動車メーカの裕隆(ユーロン)との合弁)の鴻華先進科技(英名FOXTRON)のTOPページのアニメーションを見ると同社のターゲットがプラットフォーム(電池・走行系・足回りを一体化した通称スケートボード)であることが見て取れます。
クルマとして販売することもアナウンスされていますが、その価格帯は400万円代が主体ですので、自動運転などの高機能は追求せずに、在来のクルマの代替狙いと考えられます。
やはり主体はプラットフォームビジネスでしょう。
昨年10月にセダン・SUV・バスと3車系の試作車を発表しています。
スケートボードの上物を着せ替えて、Tesla等とおなじ、EVならではのお気軽多車種戦略です。
経営が思わしくないアメリカのEVメーカ・ローズタウンモータの工場も買い取ってますのでEV進出は明らかでしょう。
こうなってくるとやはりAppleの動きが気になります。
なお、前述のFOXTRONのTOPページの右上には、「エンジニア募集」「参画企業エントリ」のボタンがあります。
クリックしてエントリーしませんか?