世界の次世代車 試乗② Hyundai FCEV NEXO(その1)
概要と内装
世界の次世代車試乗の第2弾は、日本未発売の HYUNDAI(ヒョンデ)自動車の燃料電池自動車(FCEV) NEXO(ネッソ)です。
(Hyundaiは自社の日本語表記をヒュンダイではなく、ヒョンデとしています)
日本未発売のNEXOですが、国内で借りることができましたので、借用場所の渋谷から神奈川県三浦半島突端の三崎まで往復しました。
このレポートではスタート編として、車両の紹介とエンジンスタート、いや、モータスタートまでのレポートです。
日本にちょうど良い SUVタイプ
写真のようにもっとも人気の高いSUVタイプです。サイズは、トヨタのハリアーとほぼ一緒ですので、日本での取り回しも問題ありません。前回、試乗①でレポートした華人運通のHiPhi XもSUVタイプでしたが、全長5.2m、ワイド2mと日本ではかなり苦労しそうな印象でした。
NEXO | ハリアー | |
全長(mm) | 4,670 | 4,740 |
全幅(mm) | 1,860 | 1,855 |
全高(mm) | 1,640 | 1,660 |
ホイールベース(mm) | 2,790 | 2,690 |
車両重量(kg) | 1,870 | 1,680 |
格納型のアウトサイドドアハンドル
TESLAなどと同じ、格納型のハンドルです。
ハンドル後方のくぼみ部分を軽く押すと飛び出します。飛び出した部分にあるボタンを押すと、再度格納状態となります。走り始めると自動で格納され、空力特性が向上します。
YouTubeの技術オフィスTech-Tチャンネルの動画でご確認ください。
FCEV特有の計器類
イグニッションオンで、メータからセンター部の「12.3インチ 高解像度ワイドマルチメディアスクリーン」まで一斉に点灯します。インパネ幅の運的席側2/3程度が一体の情報displayとの雰囲気です。ソニーのVision S のワイド全域とまではいきませんが、集約した表示です。試乗①で紹介した HiPhi XやTESLAなどの、センター部の独立大型dsiplayが無い分、気持ちもすっきりします。Displayパネルが複数あると慣れないうちはどのパネルで操作するのか不安になりますので。
すべての表示は日本語です。
これは、重要かつ驚くべきことです。
日本未発売にもかかわらず、右ハンドル仕様、かつ、すべての表示は日本語対応です。
これは、暗に、近い将来、日本で市販することを意味しているのでしょう。
HiPhi X試乗の際には、すべての表示が中国語でした。サーキットでの試乗でしたので困ることはありませんでしたが、モニター車として輸入されたアイシンの方は苦労されているとのことでした。
なお、本来は12.3インチワイドスクリーン部にNAVI機能が表示されるのでしょうが、さすがにそこまでの仕様は準備できていないようで、NAVIはインパネ右端に別付けされていました。
正面の計器盤の表記は、コンベンショナルでシンプルなものです。注目される点は、FCEVならではの情報です。左端の数字、423kmは現在の水素充填量での航続可能距離です。中央下の青いバー表示は燃費計。その右側の1.1kg/100kmは直近の実績燃費です。100km走行当たりで水素を1.1kg消費します。右端の3525kmは積算走行距離計(オドメーター)です。
完成度の高い日本語の取扱説明書
写真は車内に備えてあった取扱説明書です。このまま市販車に使用できるレベルです。先ほどの計器類の日本語表記といえ、この説明書といえ、日本での発売は確実と推察してしまいました。
斬新なデザインのセンターコンソール
ドアを開けた瞬間に目に付きました。宙に浮いたような意匠のセンターコンソールです。ブリッジタイプと呼んでます。下のポケット部に携帯を置くと、非接触給電できます。
このコンソールには、写真のように、
前側から、
オーディオ関連ボタン、
エアコン調整ボタン、
その後方
助手席側は走行設定関連、
右側はギア操作関係です。
ギア操作用のシフトレバーは無く、センターコンソールの運転手側に、ボタンとして配置してあります。写真で、R/D/N/Pのボタンをご確認ください。
安全を追求したブラインドスポットビューモニター
ウインカーと連動してミラー部のカメラからの映像がメータ部に表示されます。ミラーまで視線を移すことなく死角部が見れる安全装備です。
写真は駐車時に左ウインカーを動作させたときに撮影したものです。右ウインカーのときは、右側のバッテリー表示の円がスポットモニター画面になります。
なお、Hyundaiのカタログでは以下の写真でこの機能を紹介しています。丸表示ではなく、ミラーに移った映像をイメージさせる四角の表示です。マイナーチェンジされたのでしょうか。あるいは、低速時と高速時で表示方法が変わるのかもしれません。
ドア内装
金属調のスピーカグリルです。ちょっと目を引きました。メインとツィーター用で上下に2個あります。
ただ、全体のデザインも、また、インサイドハンドルやスイッチ類の光沢を押さえたスモークメッキも少し違和感がありました。スモークメッキではなく、金属調塗装かもしれません。
動画で確認ください。
事務所サイトでは、以前から、水素エネルギ社会やFCEVに関してレポートしてきており、このNEXOに関しても何度か掲載してます。
以下をご参照ください。
水素エネルギ社会(26) Hyundai FCVのNEXO 韓国内月間台数1000台超え
水素エネルギ社会(25) Hyundai FCVのNEXO 日本で販売