世界の次世代車 試乗② Hyundai FCEV NEXO(その2)
走行レポート
日本未発売の HYUNDAI(ヒョンデ)自動車の燃料電池自動車(FCEV) NEXO(ネッソ)のレポート、今回は走行状況です。
動画と合わせてお読みいただくとより理解が深まるかと思います。
まずは気になる燃費から
三軒茶屋から三崎港まで、往復140kmで、水素消費量が約1.4kg(瞬間燃費計からの推定)でした。岩谷の水素販売単価が1,100円/kgですので、燃費は11円/kmとなります。ガソリン車とほぼ同じです。
できれば、水素充填も体験したかったところですが、走行ルートの近くに水素ステーションがなくて、断念しました。MAP上では2か所ほど表示されましたが、運用日や運用時間の関係でどちらも利用できませんでした。なお仮に利用できたとしてもいったん高速から降りなければいけないので、水素ステーションの充実が課題です。
一応、水素充填口カバーは開けてみました。
走行特性
前日にトヨタ自動車の旧型ミライに試乗しました。また、中国製のEVのHiPhiXにも試乗しましたので、それらとの比較も含めてレポートします。
走り出しは無音です。燃料電池自動車も、モータ駆動ですので、電気自動車同様にほとんど音を発しません。この辺りは、旧型ミライ、中国EVのHiPhi Xと同じです。
通過音も、タイヤの接地ノイズ以外はほとんど聞こえませんでした。サーキットでのHiPhi X走行時は、風切り音がありましたが、今回は一般道での走行ということで、風切り音も感じません。いずれにしても、従来のエンジン車とは全く異なるところです。もちろん、ハイブリッド車もバッテリー駆動では同様ですが、アクセル踏み込みですぐにエンジン駆動しますので、普段乗っているハイブリッドとは異なるクルマとの印象でした。
アクセル踏み込みによる発進特性はきわめてシャープでした。アクセルに足を掛けた瞬間にすぐに発進するように感じ、慣れるまで怖さを感じました。この特性は、HiPhi Xも同様でした。一方、旧型ミライは、ガソリン車のようなまったり、もっさりした発進です。モータ出力としては、NEXOが120kw、ミライ113kwと差が無くアクセル感度の味付けなのかもしれません。ちなみに、HiPhi Xはボッシュ製のデュアルモータ仕様で計440kwですので、2.5トンの車体の100km/hまでの加速が3.9秒と驚異的です。
低速での加速感に比べて、高速での加速はごく一般的なガソリン車並みです。低速での出足の良さから高速でもレスポンス良く加速するものと期待していたのですが。低速加速の良さにくらべて高速加速性がいまいちなのは、モータ駆動のクルマの一般的な特性のようです。
走行時静音性
残念ながら、あまり感じることはありませんでした。走らせることに集中していることと、あまり無理な運転をしなかったために、エンジン車でいうところの「吹かす」運転とはならなかったためでしょう。
撮影したビデオで確認した範囲では、そういえば、静かかもというところでした。
EVの開発では、車室空間の静音性向上が課題となっていますが、今回の試乗ではその必要性を感じないところでした。
まもなく、日本で発売するのでは?
日本未発売にもかかわらず、
- 右ハンドル仕様
- 計器の表示は日本語対応
- 完璧で分厚い日本語の操作説明書
- 型式取得済み
- 日本の水素自動車補助金の申請も可能
これは、近い将来、日本で市販するとみて間違いないでしょう。
水素エネルギ社会(25) ヒュンダイFCVのNEXO 日本で販売
さすが、世界で一番売れているFCEV燃料電池自動車です。
この件は、次のブログで紹介の予定です。
水素エネルギ社会(26) ヒュンダイFCVのNEXO 韓国内月間台数1000台超え
NEXOは、グローバルでは、新型ミライの約2倍の台数が販売されています。
前回のレポート、内装などの説明は以下を参照ください。
当社では以下もビジネス対象としています。
ご興味ある方は、お気軽にお問合せからご連絡ください。
- EVの静音化技術
- 水素燃料タンクの特性評価、製造方法、材料
- 次世代車のための軽量化
- 車載樹脂のカーボンニュートラル対応