K2022 Preview ioniqaプレゼン
2022年10月19日から26日までの8日間
ドイツ デュッセルドルフにて3年おきに開催される
世界最大のプラスチック・ゴムの展示会
K2022が開催されます。
プレゼンレポート8回目はioniqaです
オランダの大学発のPETのケミカルリサイクル専業企業のioniqaからは、PET樹脂のクローズドリサイクルにより石油由来PETと同等の樹脂へと回収再使用する研究開発を紹介していました。
欧州では、PET樹脂のうちの11%がボトル用途ですが、そのリサイクル率は約50%で、PET樹脂全体でのリサイクル率は5%に過ぎないと説明していました。
参考までに調査してみました。
PETボトルリサイクル推進協議会の情報ですのでPETボトル限定ですが、日本におけるリサイクル率は90%で、欧州は約40%、アメリカは約20%とされています。
日本におけるリサイクル材の用途は30%が再度ボトルへ、41%が繊維、17%が食品トレイなどのシート用途、約10%がPET樹脂としての輸出です。
日本では自主規制により着色PETはボトルに使用されていませんが、欧州では写真のような着色PETボトルが流通しています。
この写真のボトルは今回の出張時にブリュッセルで購入したミネラルウォーターのボトルで薄い青色に着色されていました。
日本でのリサイクル率の高さは、透明限定という点にもあるようです。
さてioniqa社のケミカルリサイクルにより、75%の加工エネルギーを削減できるとしています。
オランダの二つの大学出身者による2009年の会社設立に始まり、2013年の研究室レベルから徐々に量を拡大し、2019年10kt/年、今年2022年はライセンス供与する予定です。水やグリコールなどの溶液中で原料ポリマーへと「解重合」します。
着色PETにも対応可能でこのケミカルリサイクルによりバージン材並みで食品用途にも使用可能な透明PETが得られます。
費用対効果が高いプロセスとのことで商業化が可能で今年からライセンスビジネスを開始します。
このリサイクル法は、 ポリエステル繊維、PA、バイオマテリアルへの適応可能でそれらへのライセンス供与を提案していました。
手法に関しての詳しい説明は無く、図に示される磁気分離が、着色剤の分離に作用するようにも読み取れますが、どの物質に作用するのかは不明です。
なお、全体を通したまとめレポートは月刊「プラスチックス」10月号に掲載予定です。
開催内容確認や入場券オンライン購入などは、以下からのアクセスが便利です。
各社プレゼンテーションに関するレポートは今回で終了です。
今後、余談のレポートとして
・欧州出張の現状と注意点
・欧州の環境取組み状況
・欧州でのEV車普及状況
を予定しています。