花王とライオンの連携 容器リサイクル
花王とライオンが容器リサイクルでかなり深く連携するとの報道がありました。環境問題やSDGs対応は、商品販売の差別化訴求点となりにくい点です。一方、ESGが強く求められている現状では、避けて通れない問題であるとともに、その取り組み姿勢を明示することは、企業ブランド的に価値があることは容易に想像できるところです。
過日のブログで、サントリーの役員の方の講演内容として、海洋プラ対応のために設立する企業において、アサヒ飲料も出資参加することを記載しました。今回の花王とライオンの動きは、これと通じるものがあるように感じました。同業者協業にて取り組むことは、SDGs対応が早く確実にできる可能性が高まると同時に、企業ブランド的にも利点があることを考えると、ますます拡大が望まれます。
さて、花王やライオンの容器の大半は、ブロー成形という樹脂成形加工法によって作られます。ブロー成形は図に示すような加工方法です。ガラス瓶もブロー成形法で加工されています。
昔は、ガラス瓶の回収・洗浄・再利用が広く行われていました。同じような回収はどうでしょうか?樹脂容器なので、ガラスよりもはるかに傷がつきやすく、また耐久性の点でも難しさがあります。しかし、それ以前に、形状が多岐に渡ること、そして何よりも内容物の特性を考慮して多様な材質、さらには複数樹脂が組み合わせて使われているので現実的ではありません。元の材料にまで分解し、再度容器に成形するというマテリアルリサイクルが現実的なようです。ただし、このためにも多様な材質をどのように分離回収するかなど、かなりの開発が必要であり、そこも視野に入れての連携のようです。
写真をご覧ください。飲料ボトルも含めての容器類の写真と、洗剤などの容器の底面の写真を掲載してあります。容器類は、我が家で見つけた、ブロー成形法による容器です。多数ありますが、これでも家にある容器のほんの一部です。それだけ日常生活で活用しているということです。もう一枚の写真、容器の底面を見ますとバリを切断した跡があります。図に示す成形法なので、バリを切り取ることが必要でライン上に切断した跡は残ります。
ブロー成形法、なかなか味のある加工法です。
ブロー成形に関するセミナーを予定しております。講師である私からの紹介ですと半額以下も可能です。ぜひ、受講いただければと思っております。