日産EV アリアは良いクルマ プロパイロット2.0を体験
当サイトではこれまで、
開発者の講演
および
日産グローバル本社ギャラリーでの実車をチェック
についてレポートしました。
日産アリアは良いクルマ 開発者講演を聴講
日産アリアは良いクルマ 実車をチェック
今回は、試乗とプロパイロット2.0の体験に関してレポートします。
EVとしての完成度の高さ
試乗の感想としては、EVとしての完成度の高さと、乗ることの楽しさを感じるクルマという点です。
開発者の講演にあるように、室内はEVのパッケージングを生かし広々とします。
走行特性もEVそのものです。ガソリン車のような遊びは無く、EVらしいシャープな加速感、トヨタのbZ4XやBYDのATTO3では感じられない回生度の高いブレーキング特性です。
bZ4XやATTO3は在来のガソリン車からの乗り換えの際に違和感は少ないものと、EVの特性を生かした車の味付けにはなっていません。
あいにくと短時間の試乗でしたので、開発者講演にあった世界TOPレベルの静粛性を感じることはできませんでしたが、LEAFの10年の歴史の上での開発を感じさせる完成度の高いクルマでした。
プロパイロット2.0は、乗ることの楽しさ・ワクワク感となってました。このワクワク感は、乗り慣れるにつれて「楽なドライブ」へと変化するでしょう。
EVはデジタル、エンジン車はアナログ
これまで、FCVも含めて電動車6台に試乗しましたが、EVはデジタル的、ガソリンエンジン車はアナログ的との感想です。
EVの加減速はモータの回転にダイレクトにリンクしており、ある意味、意図したままに反応します。いったんEVの特性に慣れてしまえば、運転は楽です。ブレーキから足を離しても走り出すことはありません。
一方のエンジン車はアクセルから足を離してもエンジンの回転は継続しています。アクセル操作からエンジンを介して車体を動かす間には「遊び」があります。この「遊び」を想定し、車ごとの差を感じながら運転する必要があります。クルマの運転が好きな人はそれをも楽しみにしていますので、EVは味気ないものと感じるかもしれません。
デジタル音楽の利便性を好むか、レコードのアナログ的な音を好むかの差にも通じるものがありそうです。
3D高精度地図情報+「みちびき」=プロパイロット2.0
プロパイロット2.0は、3D高精度地図情報と準天頂人工衛星「みちびき」からの電波を利用することで実現しています。プロパイロット2.0のオプション装着車のルーフ後方には、鮫の背びれ状のシャークフィン(Shark Fin)アンテナが2本ついています。このうちの運転席側のアンテナが「みちびき」の電波受信用です。
3D高精度地図情報を利用して、走行している道路前方のカーブの曲率などを先読みして、自動的に加減速します。
プロパイロット2.0の体験
プロパイロット2.0は高速道路走行中に作動するということで、試乗のコースは、日産グローバル本社ギャラリーを起点とし首都高湾岸線を往復する40km 約1時間のコースです。
日産の方が助手席に同乗し、操作と経路をガイドしてくれます。
プロパイロット2.0では、ハンズフリー(Hands Free、手離し)運転が可能です。万が一にも運転者が居眠りするといけないので、ハンズフリー運転中には運転者もモニターしています。ハンズフリー運転の可否判断にもこの機構が利用されています。走行周辺情報と共に運転者の状態も加味してハンズフリー運転がOKな状態となると、自動的にモードが変わります。
プロパイロットがアシストしていない状態では、メータ部の背景は白色です。ハンズオンのアシスト状態では緑色に変化します。この状態ではプロパイロットが速度を制御し、ハンドル操作はサポートしている状況、わずかに自動で舵角が変化することがわかります。青色に変化することで、ハンズフリー運転が可能とわかります。なお、アンビニエントライトも同様に色調が変化しますので、同乗者もどのアシスト状態かがわかるようになっています。
私が試乗した際には、なかなかハンズフリー運転が可能となりませんでした。
この状況は、後部座席同乗者が撮影した動画でご確認ください。
プロパイロット2.0は「追越」も可能
今回の試乗では体験できませんでしたが、「追越」操作も可能です。プロパイロット2.0のシステムが追越可能と判断した場合に、運転者に「提案」します。運転者がステアリングのスイッチで「承認」をクリックし、ハンドルに手を添えることで自動での追越となります。
あくまでも運転者の責任ということを明確にするために、「承認」をクリックすることとハンドルに手を添える必要があります。プロパイロット2.0が自動的にステアリングを操作しているのであくまでも手を添えているだけです。万が一、適切でないと判断した時に、運転者の判断と責任で操作できるようにとの考え方に基づいたものです。自動運転レベル2の範疇です。
走行モード DRP 操作方法
試乗開始の際は、まずドライブモードの切り替え方法が説明されます。センターコンソールのレバーで切り替えます。
レバー横のボタンを押したままでブレーキを踏み、レバーを後方にスライドされることでDモードとなります。逆に前方にスライドするとRモードです。それぞれのモード解除はレバー上部のボタンを押します。動画ではあいにくと、レバー部分が映ってません。
HyundaiのFCV NEXOも同じようなセンターコンソール部のレバーでの切り替えでした。
世界の次世代車 試乗② Hyundai FCEV NEXO(その1)
一方、トヨタのEV bZ4XやHyundaiのEV IONIQ5はステアリング部のレバー先端部の回転での切り替えでした。
トヨタ自動車EV bZ4X試乗速報
世界の次世代車 試乗④ Hyundai EV IONIQ5 走行編前半
従来のようなメカニカルなシフトレバー切り替えが不要となったため、操作性は大きく変化しています。