カーボンニュートラルの視点(リサイクル)でユニークな装置が展示してありました。粉砕材から樹脂ペレットを製造する装置ですが、ストランド(溶融させて紐状となった樹脂)は通常のウォーターバスを通過させる水冷式ではなく、強制空冷するものです。出展社のホロン精工の方に丁寧にご説明いただき、デモ機のビデオも撮影させていだきました。
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長野県のプラスチックリサイクル機器メーカーのホロン精工の展示から二つの装置をご紹介します。
・「空冷式」造粒機(リペレッター)
装置全体像と活用案
・成形品・ランナー粉砕機
特に粉砕カッター部分
「空冷式」造粒機(リペレッター)
造粒機とは、別名でリペレッターと呼ばれるように、粉砕材を投入し、再度樹脂ペレットを製造する装置です。投入粉砕材を溶かしてストランド(溶融させて紐状となった樹脂)を押し出します。通常は水冷式、すなわちウォーターバスを通過させ固化します。その後、出口カッターで、数mmに切断して樹脂ペレットを得ます。
展示の訴求点は、水冷式ではなく、強制空冷する点です。撮影した装置写真を元に、説明図をつくってみました。
デモを撮影しましたので、その動画を元に、説明ビデオもつくりました。
*ビデオ映像では「摘要」とありますが、「適用」の誤りです。
空冷式のために水冷配管は 不要です。200V電源接続のみですぐに使えます。工場のどこにでも移動可能で、ライン側でランナーや成形不良品の粉砕品から再生ペレットの製造が可能です。
適用樹脂の例として、ABS・LCP・PA66・PBT・PC・PPS 等です。空冷式のため、固化の際に発熱する結晶性樹脂の場合は冷却能力に注意が必要です。PA66やPBTは適用例があります。PPは現設備では能力が不足するとのご説明でした。風量や冷却距離の増加で対応できそうな気がしてデモを見学しました。
EUのELV規制など、自動車樹脂部品での再生材使用要求が高まっていますので、まずは、各種の再生材の実験に大活躍しそうです。
成形品・ランナー粉砕機
プラスチックリサイクル機器メーカーのホロン精工の主要な製品です。
普段は見ることができない カッター部の動作デモの展示です。上部の大きい刃で成形品やランナーを粗粉砕し、ついで下部の刃で細断します。
こちらもビデオでご確認ください。
カーボンニュートラルの視点で
ご紹介した装置を連成することで、カーボンニュートラル対応のための樹脂の再生活用として価値があります。 これまでの粉砕機の用途の多くは、成形不良品やランナーを廃棄するために、粉砕し減量するというものでした。昨今のカーボンニュートラルの視点では、ぜひ再生利用したいろころです。
2台を連成する、すなわち粉砕機による粉砕材を空冷式リペレッターに投入することで、再生樹脂の一貫製造が可能です。成形現場で簡単に対応可能です。
EUのELV規則案は、自動車製造に際して、樹脂材料の25%以上を再生材由来によることというものです。(さらにその25%は廃車から回収した樹脂で)このため、廃車からの回収樹脂の成形性検討ニーズが高まっています。まずは、廃車回収成形品がどの程度の樹脂特性かの検討からとなりますが、その際、この2装置連成の一貫再生ラインにて、簡便な実験が可能となります。 EUのELV規則など、自動車樹脂部品での再生材の使用要求が高まっていますので、まずは、各種の再生材の実験に大活躍しそうです。
疑問点・適用検討のご相談などは、お気軽にお問合せからご連絡ください。
もちろん、直接メーカーさんにご相談されてもOKです!
なお、同社の特許技術とされていますので、自社で類似設備を作成する際などは、注意が必要です。
個別のコンサルティングサービスでは更なる詳細や今後の方向性などを解説いたします。
費用や内容などは、以下より、お気軽にお問合せください。
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