【展示会レポート】オートモーティブワールド@名古屋 ユニチカ
10月22日、ポートメッセなごやで開催された【名古屋】オートモティブ・ワールド(主催:リード エグジビション ジャパン株式会社)に参加しました。
ユニチカ ブース 見学
東洋紡同様に、次世代車ADAS向けの電子部品用材用の展示が目につきました。また、材料としては高耐熱ポリアミド10Tとポリアリレートがメインです。多方面の用途ように各種グレードとして紹介してました。
ポリアリレート≪Uポリマー≫は馴染みがなかったので調べてみました。分子構造を見るといかにも耐熱が高そうです。カメの甲羅が連なってます。まったくの余談ですが、写真は近所の河原で見た光景です。この亀たちが高分子に見える私は病気かもしれませんね。
高耐熱ポリアミド(ナイロン)XecoT
ユニチカの一番力を入れている材料かもしれません。ブースのもっとも目立つところに展示してありました。(写真;撮影許可済み)
いわゆる ナイロン10Tです。
高耐熱ナイロンとしては、
クラレの9T ≪ブランド名;ジェネスタ≫、
三井化学 ≪アーレン≫や Solvey ≪アモデル≫ の6T
などが上市されています。
10Tは融点でも熱分解しないために、共重合する必要が無く、その結果、結晶化度の高いナイロンとなり、高剛性や高耐熱が期待されます。
資料の中にはサーキュラーエコノミーの指数として地球温暖化係数が示されていました。汎用ナイロンと比較して、約半分です。アミンがひまし油由来であり、バイオマスプラの効果です。なお、このアミンが炭素10個で、10Tとなります。
用途は、今一番人気のADAS等の電子機器、車載カメラ、また摺動性を生かして高温環境下での摺動部品などです。
応用部品としては、小さなターボファンを展示してありました。これは日本電産がモーターに組み込んで掃除機メーカに納入している部品だそうです。金属に比べて軽量化されています。ダイソンの軽量掃除機のコマーシャルが流れていますが、このような軽量化の積み上げでしょうかと、展示員の方と雑談しました。
試作品の展示として、3Dプリンタ用に開発している10Tの粉末材料がありました。
ポリアリレート
同社の主力樹脂材ということで、各種用途・各種グレードが紹介されてました。
リフロー対応、Tg265℃、しかも、透明からレーザ透過性が高い黒着色まで各種の見栄え対応が可能です。透明性を生かしての車載カメラケースで、レーザで封じるという応用は説得力のあるものです。
車載カメラ用
UポリマーとXecoTの両方をPRしてました。高寸法精度(低熱膨張係数)の他、低発塵性とありました。塵埃も問題となるのですね。
無塗装ピアノブラック
こちらも2種の材料が提案されていました。
ひとつは、ナイロンへのナノコンポジット技術、もうひとつはUポリマーと耐薬品性ポリエステルのポリマーアロイです。
ピアノブラックは10年以上前から話題となってますが、実物ほどの外観が得られないこと、耐候性と傷付き性が課題となっています。