中小企業の特許戦略③樹脂材料の開発や切替時の品質確保手法/アルファブレインコンサルツ株式会社
1. 本レポートの背景
技術コンサルタントとして広く情報を集めている中で、中小企業の独自技術に触れたり、ご紹介を受けることがあります。
特に最近の傾向として、自社出願特許を核にした戦略が目につくように感じています。
ここでは特許戦略に取り組む企業とその特許の概要をご紹介します。(一部、特許申請中技術を含む)
なお、月刊「プラスチックス」誌23年7月号(p39-45)に、これらのレポートをまとめ、より詳しく掲載いたしましたので、併せてご参照ください。
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2. 中小企業のオリジナル特許技術 ご紹介③
アルファブレインコンサルツ株式会社 代表取締役 坪井淳様からのご紹介に関してレポートします。
特許技術;樹脂材料の開発や切替時の品質確保手法
(1)会社紹介; アルファブレインコンサルツ株式会社
当社は自動車用材料に強みを持つ技術コンサルタント会社であり2016年に業務を開始した。ゴム、プラスチック、金属、接着剤、塗料、品質管理、購買技術、小型モーター、光通信の専門家12名が所属している。所属するコンサルタントはOEMやTier1、材料メーカーにて研究開発に従事し、さらに量産技術に携わった豊富な経験を持ち、自己の知識、経験、ノウハウを広く役立てたいという熱意にあふれている。常にチームでコンサル業務に当たることを特徴としている。
(2)特許技術概要
本特許技術は、主に材料を対象とした変更点管理手法であり、2021年10月に「材料選定方法、補助プログラム、補助装置」として出願した。「アルファブレインメソッド」という名称で顧客への展開、教育を進めている。トヨタ自動車が提唱するDRBFMがあるが、機械系設計者にはプラスチックに代表される化学系材料の変更点および心配点の想定は難しく、本手法は技術者に馴染みのあるQFD、KT法、FMEAなどを用いて抜け洩れなく業務が進められるように思考プロセスを明確にしたものである。
本手法の特徴は材料変更による具体的な変更点を見つけ出すことを容易にし、それをメリット(Good point)とデメリット(Bad point)に分け、Good pointは部品、システムとしてのメリットに展開し、Bad pointはそれに起因して発生する不具合を未然に防止する。メリット、デメリットを明確にすることでリスクを上回る利益が得られるかを検討でき、変更実施に関する正しい判断を行うことができる。そのプロセスは表に示した6つのSTEPから構成される。
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