EV試乗比較 bZ4X vs IONIQ5 その1
Hyundai IONIQ5は2度ほど試乗しました。
東京湾一周と名古屋市内短時間試乗です。
なお、この車は5月2日から日本でも発売が始まっています。
同時にFCVのNEXOも発売されています。
NEXOの試乗レポートはこちら。
さて、5月12日にリリースされたばかりのToyota bZ4Xに試乗するチャンスがありました。
bZ4X試乗は短時間ではありましたが、両車にはかなりの差があると感じました。クルマとしての味付け、設計思想そのものの差があるようです。
bZ4Xは従来のクルマの延長、IONIQ5は斬新な新モビリティ
一言で表現するとこんなところでしょう。bZ4Xは、ガソリン車から乗り換えても違和感なく運転できます。ハイブリッド車に乗っている人はさらに違和感が無いでしょう。安心した乗り換えです。
一方の、IONIQ5は明らかに新しいモビリティとしてEVのメリットを前面に打ち出したコンセプトを感じました。車両の車内パッケージはホイールベースの長さを生かした広々室内を訴求しています。フルフラットに近いフットレスト付きの運転席のリクライニング機能、後部座席の電動前後移動、さらには、車内で運転席と助手席を行き来できるなど解放感があります。この辺りはエンジンが無いEVのエンジンルームを生かしての車両パッケージングで、エアコン配置を変えたことで奥行きの短いインパネ設計を実現したことも寄与しているのでしょう。
bZ4Xは「クルマのシートに収まる」という従来のクルマの安心感あるイメージです。一方のIONIQ5はリビングルームにいるようなくつろぎ空間でした。
走行特性、特に出足の加速感や力強さはどちらのクルマもEVならではの楽しさです。さらにIONIQ5は4段階の回生ブレーキをパドルシフトで変更できるという走行時の味の変化も楽しいところです。一方のbZ4Xは在来のハイブリット同様のドライブとBモード(回生強めの設定)で乗り慣れているクルマという雰囲気です。
外装デザインはbZ4Xが圧倒的にカッコいい・・・らしい
ここはとりわけ、個人の好みが出るところです。私としてはどちらのクルマもまあまあでEV的にスッキリした意匠、強いていえば、少しbZ4Xがいいかなぁとの印象でした。ところが、中国EVメーカのCTOは「bZ4Xはすごくカッコいい」と絶賛していました。
撮影した写真からそれぞれのスタイルビューを並べてみました。比較してみると、IONIQ5のリアビューはすこしスッキリし過ぎているかもしれません。
先進的なインパネデザインのIONIQ5
bZ4Xのインパネ・メータデザインはがっかり感が強かったところです。Tesla等のEV専用メーカのクルマは大型Displayで未来的なインパネを採用、IONIQ5もその傾向があります。しかし、bZ4Xは、こじんまりしたメータです。強いて言えば車両前側に位置していることと、Naviが大きめに変化している点が従来車との違いでしょうか。
IONIQ5は広大な平面Displayに豊富な情報が表示されます。一方のbZ4Xは限られた情報だけが表示されます。あえて走行に必要な情報だけに絞ったという思想を感じます。
どちらもシフトチェンジは回転式です。IONIQ5はレバー先端を右回りにひねるとDモードで、逆にひねるとRモード、bZ4Xも右に回すとDモードで左回しでRモードです。どちらのクルマもPは別ボタンを押します。
bZ4Xの橋渡し式で宙に浮いているセンターコンソールは、HyundaiのFCV NEXOのデザインにかなり似ています。
ちなみにシフトチェンジも同じ位置です。bZ4Xは上述のように回転式で、NEXOは押しボタン式という違いはありますが。
引き続き、その2で走行性や視認安全性などをレポートします。