【限定公開】トヨタ株主総会出席2023 詳細とコメント
6月初めに、
まもなく、トヨタ自動車の株主総会
を掲載しました。
また、総会の翌日朝には、
【速報】 トヨタ自動車株主総会 出席
を掲載しました。
ここでは、更なる詳細とそれに対してコメントします。
総会の録画録音NGですので、詳細をメモしましたが、レポート用紙11枚となっていました。
トヨタ会館では「株主限定 全方位の実車展示」が開催されていました。この内容と見学所感は別途レポートします。
各セミナ―で より詳しく講演します。ぜひご聴講ください。
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近日開催のセミナー&オンデマンドセミナー 「次世代モビリティ関連」
第一会場で、ひな壇の豊田会長ほかの顔を見ながら参加したいと考え、開始の約1時間前、9時過ぎに到着しました。
写真:総会後に会場から出てくる株主、参加している個人株主の構成概要がわかります。
会場入り口で、議決権行使書を読み取り装置にかざすと受付番号兼座席表が出てきます。この間、非接触です。おそらく、新型コロナ感染症対策で導入されたものでしょう。
既に第一会場は満席とのことで、本館ホール2階の会議室に案内されました。2階には100-200人収容の会議室が複数ありますが、順次案内されていきます。私の会議室は9時半頃で満席となりました。
椅子の上には、小さな紙袋が置いてあり、以下の写真のものと、お茶のペットボトル、アンケート用紙が入ってました。
トヨタ「家元組織」革命 世界が学ぶ永続企業の「思想・技・所作」
出席者数とメルカリ出品数
出席株主数3800人程度で、コロナの影響の残す昨年の約900人よりは大幅に増えていますが、過去最高の5000人超えには及びません。また、コロナの間は見合わせていたミニカーの配布も再開されてます。今回は新型プリウスです。さっそくメルカリに出品されています。その出品数、当日の夜だけでも数十件に及ぶようです。落札価格は4000円程度でした。以前、JPNタクシーのミニカーは一万円前後で取引されていましたので、だいぶ安い印象を受けました。
更なる詳細は、近々計画予定の「対面セミナー」でも紹介します。対面セミナーはメルマガ登録の方の優先案内します。
グローバルカンパニーとしてのトヨタ
(1)アメリカの公的年金基金が豊田新会長に反対投票
総会に先立つこと2週間、カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)などの公的年金基金が、トヨタ自動車の豊田章男会長の取締役再選に反対投票したことを公表して同調を促していました。
この影響もあり、賛成率が95%から85%に低下しています。
なお、総会中はそのような動きに触れることはありませんでした。
(2)18年ぶりの株主提案 定款変更 欧州から
北欧の機関投資家3団体からの提案です。トヨタは早々にこの提案に反対を表明し、議決権行使書にも会社は反対である旨が太字で明記されていました。採択はされませんでしたが、賛成率は10%を超えたそうです。前段の北米年金運用団体も賛成しました。
日本の目線でのトヨタと、グローバルトヨタでは、その存在が異なることは当然ですが、今後は、脱炭素目線での地産地消から日本国内生産・輸出に対しても厳しい目が向けられるでしょう。国内生産の急激な減少が予想されます。
鉄鋼業界のように自動車業界の店じまいも始まる
先日、製鉄会社の高炉を間近に見学する機会がありました。巨大な高炉の上部から鉄鉱石と石炭を投入し、下部からは、火花とともに銑鉄が流れ出てきます。さらに脱炭素工程を得て製鉄するといった、数kmに渡るラインです。現状は、過剰設備となっており、高炉の閉鎖が続いています。少子高齢化による国内市場の縮小と国際競争力の低下によると解説されてます。 ふと、日本の自動車業界の国内生産の先行きに重なるものを感じました。少子高齢化とBEVや斬新な発想でのモビリティ社会対応などでの出遅れでの国際競争力の低下の懸念です。BEVに限らず、グローバルにはモビリティの需要拡大は間違いの無いところですが、こと国内に限った場合は、暗雲が垂れ込めています。グローバル市場での勝負が必須です。
トヨタの拠点別の生産と販売状況
前述の2点と、現状の生産・販売状況を合わせ見ると、やはり国内生産の急激な減少が予想されます。以下は、トヨタ自動車が公開している財務指標です。左が地域別の生産台数割合、右が販売台数割合です。
日本で生産し北米で販売しています。
バイデン政権のインフレ抑制法への対応で、BEVに関しては車体・バッテリーともに北米生産へのシフトが始まっています。
今後は集団指導体制 院政かも・・・?
佐藤新社長のあいさつ、株主からの質問への回答の中で繰り返された言葉が、「継承と進化」「チーム経営」です。配布された赤色の小冊子トヨタイムズspecial editionにも以下のページがあります。
集団指導体制のように感じたところです。創業家でもない佐藤新社長としては、強力なイニシアティブ、時には独善的に進めるという取り回しは困難でしょう。豊田新会長の声が残ると考えるのが自然でしょう。
ある情報通は、院政だと断言していました。ここはちょっと書き過ぎました、、、
豊田章男節と章男ファン
総会の議長として司会進行を取り仕切りました。実に絶妙な話し方、進行で、大変に優秀なMCのようでした。特に笑いを誘う発言もありますが、これらは以前の総会でも同様でした。意地悪な目線でハスに見ると調子に乗っているようにも感じるでしょう。一方でその流れに乗ってしまえば実に心地が良いものです。
会場から12件の質問が出ましたが、多くは好意的で、中には質問ではなく応援演説的なものもありました。まさに、章男ファンと言えるでしょう。
会場から、「トヨタは80点主義で卒ないクルマだったが、豊田社長になって楽しいクルマに変わった。佐藤新社長の声を聴きたい」との質疑があった際には、豊田議長は、「私もぜひ聞きたいです。」といって、会場の笑いを誘っていました。
BEVファクトリと水素ファクトリ
新しい組織形態が稼働し始めました。BEVファクトリは5月15日から、水素ファクトリは7月1日からです。
これらのファクトリは、One Leaderの下で「開発・生産・事業」全てのプロセスを一気通貫としスピーディーな意思決定と実行を実現する狙いです。新車開発はチーフエンジニア制で同様に進めてきていますし、トヨタ流の大部屋活動で即断即決体制があります。それらを事業目線まで拡大するものです。いかにもトヨタらしい取り組みです。
水素ファクトリでは中国や欧州の企業との連携も視野に入れているとのことです。かならずしも自前主義にこだわらずに、事業化促進のための社外勢力との大胆な連携に期待したいところです。実はBEVファクトリのほうが、極めて大胆に社外勢力との協業を進めるニオイを感じます。
トヨタ会館での株主向け特別展示
トヨタ会館を臨時休館として、株主向けの展示会を開催していました。特に、トヨタの全方位戦略(最近は、マルチパスウエイという言い方ですが)は、実車を並べて示していました。
以下は、全6車種の脱炭素対応としての展示車両です。
特に注目したクルマは、市場走行試験を始めた水素エンジン車です。
これらに関しましては、また機会を改めて報告したいと考えております。
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