トヨタ式仕事術 カイゼン/Kaizen その2 シナリオは何だ?
トヨタで学び、サムスンで磨き上げた仕事術!
ご紹介してまいります。
トヨタもサムスンも凄かった。
新時代に何を参考にすべきか?
トヨタで仕事をしていた際に、実にしばしば言われた言葉は、
「そのシナリオは何なの?」
でした。
シナリオ? トヨタ自動車に転職したばかりのときは、実に違和感がある言葉でした。メーカ業務にシナリオ? おそらくは多くの方も不思議に思われるのではないでしょうか?
- ある生産車種を別の工場への生産に変更する場合、
- 新規の材料を導入する場合、
- 部品納入会社を複数化する場合、
あらゆる場面や検討で、シナリオを要求されます。
入社当時、シナリオと聞くと、映画やドラマのシナリオを思い浮かべましたし、一般の方はそちらを思い浮かべるでしょう。シナリオとは、ドラマの起承転結や、俳優の立ち振る舞いやセリフなどです。
トヨタで求めるシナリオとは、一貫した論理性です。
何のために、何をやって、その結果どんな効果が得られ、懸案や課題はどうなのか、こんなイメージの内容を一貫して説明しきることができるもの、それがシナリオです。のちに、学位取得のために論文を何報か作成しましたが、その際の論理性確保と全く同じものでした。
出口イメージが重要です。
何をしたいか、何が望まれているか、何をなさねばならないか、それが出口です。その実現のために、いろいろ調べて考えて、実現のために必要な部署や人から、なるほど、わかった!との合意を得るために作戦、それがシナリオです。
これは完全に考え方の訓練、論理思考の訓練です。
トヨタの力強さ、恐ろしさは、社員一人一人は全く意識していないにも関わらずにこの論理思考がいつでもできるように教育され切っていることです。
トヨタのA3文化、紙一枚にまとめる文化が、この論理思考そのものです。
数十ページの解説書を書きました。
ぜひお読みいただければと思いつつ、いまだ出版しておりません。
書籍 | 技術オフィス Tech-T 開発と製造のコンサルタント (tech-t.jp)
近日出版といいながらすでに一年となります、、、
次回はA3文化についての簡単な解説を予定しています。