ベトナム 電気自動車(BEV)現地調査 トヨタのICE大成功
ベトナムでの電気自動車(BEV)の現地調査の前段として、前回は交通事情をレポートしました。
今回は乗用車の普及状況と、何と言ってもトヨタが大成功を収めている状況をご紹介します。
BEVの現地調査ながら、前段の説明が長くなっていますが、この背景のもとに、BEVの状況や事情を説明することに価値がありますので、ご理解ください。
特に、トヨタの大成功は、もちろんBEVの話ではなくガソリン車ICEに関してですが、こちらも今後のトヨタのBEV戦略を占う上では重要なポイントです。
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トヨタが東南アジア市場を席捲してきた
ホーチミン市タンソンニャット国際空港から市内中心部に到着したのは午後の3時くらいでした。
やたらとトヨタ車が目につく状況でした。
その中でも特にイノーバ(Innova)とフォーチュナー(Fortuner)、それから小型セダンのビオス(Vios)が目につきました。
いずれも東南アジア、あるいは新興国向け専用車です。
日本には全くない車種群です。
これだけトヨタが独占できた理由としては、その戦略にあります。
トヨタは開発の現地化を進め、タイにR&D開発会社を設置しました。
ここが中核となり、東南アジア、さらにはアフリカや南米を見越した車両を開発しました。
これが大成功し、少なくとも東南アジアでは市場を席捲する状態になりました。
2002年に立ち上げたIMVプロジェクトがポイントです。
IMVとは、Innovative International Multipurpose Vehicleの略で、その名の通り、グローバルで多目的のための他車種を統合的に開発するプロジェクトです。
プラットフォーム(車台)の共通化を図ったピックアップトラック3車型(IMV1-3)とミニバン(IMV4)、SUV(IMV5)を開発しました。
これらの開発戦略とともに、ASEANを中心とした域内での現地調達率100%、域内組立での各国市場への相互投入という、調達&生産戦略も功を奏しています。
いわば、現地の声を聴いて、現地ですべて作り上げる戦略です。
これらの市場専用のプラットフォーム(モノコックではないラダーフレーム)をベースに、多目的バンMPVのInnova あるいはSUVのFortunerに仕立てあげました。
その際の車両開発コンセプトは、多人数が乗れる、荷物がたくさん積める、外観もかっこいいと言うものでした。
これがまさに現地のニーズにマッチして、今回のベトナムはじめタイやインドネシア、あるいはフィリピンで大ヒットしたという状況になっています。
2004年の市場投入から既に20年が過ぎています。
街で見かける台数は今がピークかもしれません。
2022年に全面刷新し、TNGAモノコックをベースにしたハイブリッド仕様のInnovaを投入しています。
多少色合いは違いますが、トヨタとしては既にカローラクロスやヤリスクロスなどの車を投入しており、ホーチミン市内ではこれらの車もよく見かけるようになっています。
Innova
上の写真、多数のバイクの陰になってますが、トヨタのInnovaを使ったタクシーが並んでいます。
写真はその一部で、20台程度が客待ち状態でした。
Fortuner
次の写真は、トヨタのFortunerです。
サイズ感や外観から、一瞬、ランクル?と思うようなクルマですが、新興国向けに開発したSUVです。
このクルマも実にたくさん走っていました。
Vios
IMV系とは異なるコンセプトのグローバル車です。
ヤリスベースで、中国および東南アジアに投入されています。
Innovaより小型のタクシーとして多用されています。
ただし、ハノイではこの様相は異なり、Hyundaiの小型セダンのタクシーに置き換わります。
トヨタのBEV戦略は? マルチパスウエイは?
前述しましたが、InnovaのHEVが導入されています。
高燃費化=炭酸ガス放出量削減という視点では、充電設備の整わない地域での当面、向こう10数年の解決策になりそうです。
次にレポートしますが、BEVの普及が限定的なベトナムなどではまさにそのニーズに合致します。
トヨタのマルチパスウエイが合理的なところです。
トヨタは、2022年のインドネシアモータショーにInnovaのBEVコンセプト車を出展していますが、これはまだまだアドバルーン的なクルマと思われます。
一方で、先日開催されたJapan Mobility Showに出展したIMV0(ゼロ)は、その名も示すように、IMV版の炭酸ガス排出ゼロ車両、BEVのコンセプト車です。
当面はHEVでビジネスを進め、地域状況やタイミングでIMV0の導入をはかることが、トヨタの目指すマルチパスウエイと考えられます。
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